日本で生活していると、
病院の近くにある薬局や、大きなドラッグストアをよく目にします。
しかし、「どこで何ができるのか」「どう利用したらよいか」は、
母国とルールが違うことも多く、分かりにくいと感じる在留外国人も少なくありません。
このページでは、
日本の薬局・ドラッグストアの種類と基本的な使い方を、
在留外国人向けにやさしい日本語で整理します。
「処方せんがあるとき」「ないとき」の流れや、
薬局でよく聞かれること、日本語が不安な場合の工夫なども紹介します。
1. 日本の「薬局」と「ドラッグストア」の違い
日本では、「薬をもらう・買う」ときに利用する場所は、大きく分けて次の2種類があります。
- 調剤薬局(ちょうざいやっきょく):病院の処方せんを持って行き、処方薬を受け取る場所
- ドラッグストア:市販薬だけでなく、日用品・化粧品・食品なども売っているお店
1-1. 調剤薬局とは?(処方せんを持って行く薬局)
調剤薬局は、
医師が出した処方せんに基づいて、薬を準備してくれる専門の薬局です。
- 多くは病院やクリニックの近くにあり、看板に「処方せん受付」などと書かれている
- 処方せんがないと買えない「処方薬」を受け取る場所
- 薬剤師が、薬の飲み方や注意点を説明してくれる
病院で診察を受けたあと、
「この処方せんを薬局に持って行ってください」と言われたら、
調剤薬局で薬を受け取る流れになります。
1-2. ドラッグストアとは?(市販薬と日用品のお店)
ドラッグストアでは、次のようなものを買うことができます。
- 市販薬(風邪薬・頭痛薬・胃腸薬・目薬・湿布・塗り薬など)
- 日用品(シャンプー・洗剤・歯ブラシ・ティッシュなど)
- 化粧品
- 食品・飲み物・お菓子 など
店舗によっては薬剤師や登録販売者がいて、
市販薬について相談することもできます。
ドラッグストアの中には、
調剤薬局の機能を併せ持っている店舗もあります。
店内に「処方せん受付」コーナーがある場合、
そこで病院の処方せんを出すことができます。
1-3. 院内処方と院外処方
病院によっては、
診察のあとに病院の中で薬を受け取る(院内処方)場合もあります。
一方で、多くの病院では院外処方といって、処方せんだけを渡し、
薬は外の調剤薬局でもらう方式になっています。
「薬は病院の外の薬局でもらってください」と言われたら、
それは院外処方です。
病院の近くにある調剤薬局、または自宅の近くの薬局に処方せんを持って行きましょう。
2. 処方せんがあるときの薬局の使い方(病院受診後)
2-1. 処方せんとは何か
処方せんは、
「この患者さんに、この薬を、この量、この期間出してください」
という医師から薬局への指示書のようなものです。
日本では、処方せんには有効期限があります。
一般的には、発行日を含めて4日以内が目安とされています。
期限を過ぎると、薬局で薬を受け取れないことがあるので注意が必要です。
2-2. 処方せんを持って薬局に行く流れ
- 病院で診察を受け、処方せんをもらう
- 調剤薬局(または「処方せん受付」があるドラッグストア)に行く
- 受付で処方せんと健康保険証を出す
- 必要に応じて、住所や連絡先、アレルギーなどを聞かれる
- 薬剤師が薬を準備し、飲み方や注意点を説明してくれる
- 会計をして薬を受け取る
薬局が混んでいるときは、ある程度待ち時間が出ることもあります。
受付で「何分くらいかかりますか」と聞いておくと安心です。
2-3. 「かかりつけ薬局」という考え方
日本では、
自分の薬の情報をまとめて管理してくれる「かかりつけ薬局」を持つことが推奨されています。
- いつも同じ薬局を利用することで、薬の飲み合わせや重複をチェックしてもらいやすい
- 体調の変化や生活のことも含めて相談しやすくなる
可能であれば、
自宅や職場・学校から通いやすい薬局を一つ決めておき、
処方せんは基本的にそこに持って行く、という使い方も便利です。
3. 市販薬を買いたいときの基本(ドラッグストアの利用)
3-1. 市販薬のイメージ
市販薬(OTC)は、
処方せんがなくても買える薬です。
風邪薬・頭痛薬・胃薬・目薬・湿布・塗り薬など、さまざまな種類があります。
ただし、市販薬でも飲み方や飲み合わせに注意が必要なものがあります。
特に、持病がある人や、すでに他の薬を飲んでいる人は、
勝手に選ばず、薬剤師・登録販売者に相談するのがおすすめです。
3-2. 相談したほうがよい場面
次のような場合は、
自分だけで判断せずに相談したほうが安全です。
- 高血圧・心臓病・腎臓病・肝臓病などの持病がある
- 別の薬を飲んでいる(処方薬・市販薬問わず)
- 妊娠中・授乳中の可能性がある
- 子どもに薬を飲ませたい
ドラッグストアで薬の棚の近くに行くと、
白衣を着たスタッフ(薬剤師・登録販売者)がいることがあります。
その人に症状を説明し、「どの薬がよいか教えてください」と相談してみましょう。
3-3. 相談するときの日本語のイメージ
日本語が得意でなくても、
短いフレーズで十分伝えることができます。
- 「頭が痛いです。市販の薬を相談したいです。」
- 「お腹が痛くて、下痢があります。」
- 「他の薬を飲んでいます。飲み合わせは大丈夫か知りたいです。」
詳しい説明が難しい場合は、
メモや翻訳アプリを使って見せる方法も有効です。
4. 薬局でよく聞かれることと、答え方のヒント
調剤薬局でもドラッグストアでも、
薬を販売・調剤するときには次のような質問をされることがあります。
- 「アレルギーはありますか。」
- 「今、他に飲んでいる薬はありますか。」
- 「妊娠中・授乳中ではありませんか。」
- 「どんな症状ですか。いつからですか。」
うまく話せなくても、
「はい/いいえ」と短く答えるだけでもかまいません。
可能であれば、症状だけでもメモしておき、
スマートフォンで見せるとスムーズです。
5. 受付から会計までの流れと持ち物
5-1. 持って行くとよいもの
特に調剤薬局を利用するときは、
次のものを持って行くとスムーズです。
- 健康保険証
- 在留カード
- お薬手帳(あれば)
- 病院からもらった処方せん(処方薬の場合)
5-2. 会計のイメージ
調剤薬局で処方薬を受け取る場合、
日本の健康保険に加入していれば、医療費の一部を自己負担する形になります。
市販薬は、基本的に全額自己負担ですが、薬の種類や価格は店ごとに異なります。
支払いは、多くの場合、現金・クレジットカード・電子マネーなど、
複数の方法から選ぶことができます(店舗によって異なる)。
6. よくある質問(Q&A)
Q1. 病院でもらった処方せんは、どの薬局に持って行ってもよいですか。
多くの場合、どの調剤薬局でも処方せんを受け付けてもらえます。
病院の近くの薬局でも、自宅の近くの薬局でもかまいません。
ただし、処方せんには有効期限があるので、できるだけ早く薬局に持って行きましょう。
Q2. 日本語がほとんど話せません。薬局に行っても大丈夫でしょうか。
はい、大丈夫です。
名前・住所・症状・アレルギー・飲んでいる薬などを、母語や英語でメモしておき、
翻訳アプリで日本語にして見せれば、薬剤師は内容を理解しやすくなります。
簡単な単語だけでも、「頭が痛い」「熱がある」など、短く伝えれば対応してもらえます。
Q3. 市販薬で我慢せず、病院に行ったほうがよいのはどんなときですか。
強い痛みが続く、何日も熱が下がらない、息苦しい、意識がぼんやりする、
顔や唇が腫れるなどの症状がある場合は、市販薬だけで対処しようとせず、
病院や救急外来の受診、119番への相談も検討してください。
不安なときは、薬剤師に「病院に行ったほうがよいでしょうか」と相談してもかまいません。
Q4. 同じ症状のときに、以前もらった薬を飲んでも大丈夫ですか。
自分の判断だけで、以前の残った薬を飲むのは基本的におすすめされていません。
症状の原因が違う場合や、体調・他の薬の状況が変わっている場合もあるためです。
残っている薬がある場合は、薬局で見せながら相談すると、安全な使い方についてアドバイスがもらえることがあります。
7. まとめ:薬局・ドラッグストアを「相談の場」として活用する
- 日本には、病院の処方薬をもらう「調剤薬局」と、市販薬や日用品を買える「ドラッグストア」があります。
- 処方せんをもらったら、有効期限に注意しながら調剤薬局に持って行き、健康保険証と一緒に提示します。
- 市販薬を選ぶときは、持病や他の薬との飲み合わせを考え、必要に応じて薬剤師・登録販売者に相談することが大切です。
- 日本語が不安な場合でも、メモや翻訳アプリを使うことで、症状や服薬状況を伝えることができます。
- 薬局・ドラッグストアは、単に「薬を受け取る場所」ではなく、健康について相談できる場として活用できます。
このページを読み終えたら、
自宅や学校・職場の近くで「行きやすそうな薬局・ドラッグストア」を一つ探しておき、
住所や場所をメモしておくことをおすすめします。
いざというとき、「どこに行けばいいか」を迷わずに済むようになります。


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