市販薬(OTC)の選び方と注意点|風邪・頭痛・胃腸・アレルギーなど

「ちょっと体調が悪い」「病院に行くほどか分からない」
そんなとき、日本ではドラッグストアで市販薬(OTC)を買う人も多いです。
しかし、棚にはたくさんの種類の薬が並んでいて、
在留外国人にとっては「どれを選べばいいのか」分かりにくいこともあります。

このページでは、
市販薬(OTC)の選び方と注意点を、在留外国人向けにやさしい日本語で整理します。
症状別の見方や、自分で薬を選ぶときに気をつけたいポイント、
日本語が不安な場合の相談の仕方などをまとめました。

1. 市販薬(OTC)とは?日本での基本的な考え方

市販薬(OTC)とは、
病院の処方せんがなくても買える薬のことです。
日本のドラッグストアでは、次のような市販薬をよく見かけます。

  • 風邪薬・総合感冒薬
  • 頭痛薬・解熱鎮痛薬
  • 胃腸薬・整腸薬・下痢止め
  • アレルギー・花粉症の薬
  • 目薬・のどスプレー・湿布・塗り薬 など

市販薬は、軽い症状や短期間の不調に対して、
自分である程度ケアするための薬というイメージです。
一方で、強い症状や長く続く症状を市販薬だけで我慢するのは危険な場合もあります。

2. 市販薬を選ぶ前に考えたい3つのポイント

市販薬の棚の前に立つ前に、
まず次の3つを整理しておくと、選びやすくなります。

2-1. 「どんな症状」が「どのくらい続いているか」

  • いつから始まったか(何日前からか)
  • どの部位がつらいか(頭・のど・お腹・関節など)
  • 症状の強さ(少しだけ/かなりつらい など)

この整理ができていると、
薬剤師・登録販売者に相談するときにも説明しやすくなります。

2-2. 持病や今飲んでいる薬

次のような場合、薬の選び方に特に注意が必要です。

  • 心臓病・高血圧・糖尿病・腎臓病・肝臓病などの持病がある
  • メンタルヘルスの薬など、長期で飲んでいる薬がある
  • 最近、別の病気で処方薬を飲んでいる

こうした情報は、
メモやお薬手帳にまとめておき、薬局で見せながら相談すると安心です。

2-3. 妊娠中・授乳中・子どもに使う薬かどうか

妊娠中・授乳中の方や、子どもに薬を飲ませたい場合、
大人向けの市販薬をそのまま使うのは危険な場合があります。

そのため、

  • 妊娠中・授乳中の方:必ず薬剤師に相談する
  • 子ども:子ども用として表示された薬を選び、年齢・体重の目安を確認する

という基本ルールを意識しておきましょう。

3. 症状別に見る市販薬の選び方のイメージ

ここでは、よくある症状ごとに、
市販薬を選ぶときの考え方のイメージを説明します。
具体的な商品名ではなく、「どんなタイプの薬か」を理解することが目的です。

3-1. 風邪のとき(発熱・のどの痛み・鼻水など)

日本のドラッグストアには、
「総合感冒薬」と呼ばれる、
風邪のさまざまな症状をまとめて抑えるタイプの薬があります。

しかし、
1つの薬に多くの成分が入っているため、
他の薬と成分が重なってしまうことがあります。

  • 熱や痛みがメイン → 解熱鎮痛薬で十分な場合もある
  • 鼻水・くしゃみがメイン → アレルギー薬に近い成分が入っていることが多い

「どの症状が一番つらいか」を整理し、
できれば薬剤師に相談して選ぶと安全です。

3-2. 頭痛・生理痛のとき

解熱鎮痛薬は、
熱を下げるだけでなく、頭痛・生理痛・歯痛などの痛みをやわらげるためにも使われます。

ただし、

  • 空腹時に飲むと胃に負担がかかる薬がある
  • 胃の弱い人は、胃薬と一緒に飲んだほうがよい場合がある
  • ほかの薬と成分が重なると、飲みすぎになることがある

といった注意点もあります。
頭痛が頻繁に起きる場合や、痛みが強く長く続く場合は、
市販薬だけに頼らず、病院で相談したほうがよいケースも多いです。

3-3. 胃痛・胸やけ・下痢などの胃腸のトラブル

胃腸薬には、次のようなタイプがあります。

  • 胃痛・胸やけを和らげるタイプ
  • 消化を助けるタイプ
  • 下痢を止めるタイプ
  • 整腸(腸内環境を整える)タイプ

特に下痢止めの場合、
「体の中の細菌やウイルスを出す」ための下痢を無理に止めると、
状態が悪化することもあります。

次のような場合は、
市販の下痢止めを自己判断で使うのは避けたほうがよいとされます。

  • 高い熱を伴う下痢
  • 血が混ざったような便
  • 激しい腹痛を伴う下痢

こうした症状があるときは、早めに病院で診てもらうことを検討してください。

3-4. アレルギー・花粉症のとき

くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状には、
抗ヒスタミン成分を含む薬が使われます。

これらの薬の中には、

  • 眠気を強く感じるタイプ
  • 比較的眠気が少ないタイプ

があります。
自動車の運転や機械の操作を行う人は、
特に眠気の副作用に注意が必要です。

「眠くなりやすいですか?」「仕事で運転をします」と、
薬剤師に伝えて相談すると安心です。

4. 市販薬を使うときの基本ルールと注意点

4-1. 用法・用量を守る

日本の市販薬には、
外箱や説明書に「1日の回数」「1回の量」「飲むタイミング」が細かく書かれています。

「早く良くなりたいから」と言って、
指示より多く飲むのは危険です。
逆に、指示より少なすぎても、効果が不十分になることがあります。

4-2. 複数の薬を「なんとなく」飲み合わせない

市販薬どうし、または市販薬と処方薬の成分が重なり、
同じ成分を二重に飲んでしまうことがあります。

特に、

  • 解熱鎮痛薬
  • 風邪薬(総合感冒薬)
  • アレルギー薬・花粉症薬

などは、複数の薬に同じ成分が含まれていることが多いです。
「別の薬だから大丈夫」と自己判断せず、
不安なときは薬局で相談しましょう。

4-3. 何日も良くならないときは、病院受診を検討する

市販薬は、短期間の症状の緩和を目的としています。
次のような場合は、早めに医療機関を受診したほうがよいことが多いです。

  • 市販薬を数日使っても症状がほとんど変わらない
  • むしろ悪化している・症状が増えている
  • 強い痛みや高熱が続いている

「もう少し市販薬で様子を見るべきか」「病院に行くべきか」迷ったときは、
薬局で薬剤師に相談してみてください。

5. 日本語が不安な場合の相談の仕方

日本語が得意でない場合でも、
できる範囲で工夫すれば、市販薬について相談することができます。

5-1. 事前にまとめておくとよいメモ

  • 今一番つらい症状(頭痛、のどの痛み、腹痛、下痢など)
  • いつから症状が続いているか(○日前からなど)
  • 持病(病名)
  • 今飲んでいる薬の名前(分かる範囲で)

これらを母語や英語でメモし、
翻訳アプリで日本語にして表示して見せるだけでも、十分役に立ちます。

5-2. 短い日本語フレーズの例

  • 「○日前から、頭が痛いです。」
  • 「熱があります。市販薬を相談したいです。」
  • 「下痢がありますが、血は出ていません。」
  • 「この薬を飲んでいます。飲み合わせは大丈夫ですか。」

完璧な文法で話す必要はありません。
「いつから」「どこが」「どのくらい」つらいかが伝われば十分です。

6. よくある質問(Q&A)

Q1. 市販薬だけで治そうとしても大丈夫ですか。

軽い風邪や一時的な頭痛など、短期間の不調であれば、市販薬で様子を見ることもあります。
ただし、症状が長く続いたり、強くなったりしている場合は、市販薬だけに頼り続けるのは危険です。
数日使っても改善しないときは、病院の受診を検討してください。

Q2. 市販薬と処方薬を同時に飲んでも大丈夫でしょうか。

成分が重なる場合、飲みすぎになることがあります。
処方薬を飲んでいるときに新しく市販薬を使いたい場合は、
事前に薬局で「この薬を飲んでいます」と伝え、飲み合わせについて相談することをおすすめします。

Q3. 日本で売っている市販薬は、母国の薬と強さや成分が違いますか。

国によって、使われる成分や配合、薬の強さは異なることがあります。
母国でよく使っていた薬と同じような感覚で、日本の市販薬を自己判断で使うのは危険な場合もあります。
不安なときは、成分の名前や症状を薬剤師に見せて相談してみてください。

Q4. どのドラッグストアに行けばよいか分かりません。

多くのドラッグストアでは、市販薬だけでなく、日用品や食品も扱っています。
通いやすい場所(自宅・学校・職場の近くなど)に、
「相談しやすいドラッグストア」を一つ決めておくと、いざというときに便利です。
住所や場所をメモしておき、体調が悪くなったときに迷わず行けるようにしておくと安心です。

7. まとめ:市販薬は「便利な道具」、それ以上でも以下でもない

  • 市販薬(OTC)は、処方せんがなくてもドラッグストアで買える薬で、短期間の不調を自分でケアするための道具です。
  • 選ぶ前に、「どんな症状がいつから続いているか」「持病や今飲んでいる薬」「妊娠・授乳・子どもかどうか」を整理しておくと、安全に使いやすくなります。
  • 症状別(風邪・頭痛・胃腸・アレルギーなど)に、市販薬にはそれぞれ特徴があり、飲み合わせや副作用にも注意が必要です。
  • 市販薬を飲んでも良くならない・悪化する・強い症状が続く場合は、病院で診てもらうことが大切です。
  • 日本語が不安でも、メモや翻訳アプリを使って症状や服薬状況を伝えることで、薬剤師と一緒に安全な薬を選ぶことができます。

このページを読み終えたら、
自分の症状や持病、よく使う薬の情報を、
メモやお薬手帳に整理しておくことをおすすめします。
そうすることで、ドラッグストアで相談するときにも、
より安心して市販薬を選べるようになります。

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