病院の処方薬の受け取り方とジェネリック医薬品の基本

日本の病院で診察を受けると、
診察室では薬をもらわず、
「処方せん」という紙だけを受け取ることがあります。
その後、外の薬局で薬をもらう仕組みは、
初めての在留外国人にとって分かりにくいことも多いです。

このページでは、
病院の処方薬の受け取り方とジェネリック医薬品の基本について、
在留外国人向けにやさしい日本語で説明します。
処方せんの意味と流れ、ジェネリック医薬品の考え方、
薬局で相談するときのポイントなどをまとめました。

1. 「処方せん」とは何か

処方せんは、
医師が薬局に出す「指示書」のようなものです。

内容のイメージとしては、

  • どの薬を
  • どのくらいの量で
  • どのくらいの期間飲むか

といったことが書かれています。

1-1. 処方せんの有効期限

日本の処方せんには、有効期限があります。
一般的には、発行された日を含めて4日以内が目安とされています。

そのため、

  • 仕事や学校が忙しくても、できるだけ早めに薬局へ行く
  • 旅行や帰省の予定がある場合は、その前に薬をもらっておく

といったことを意識しておくと安心です。

1-2. 院内処方と院外処方

日本では、薬の受け取り方に2つのパターンがあります。

  • 院内処方:病院の建物の中で薬を受け取る
  • 院外処方:病院で処方せんだけもらい、外の薬局で薬を受け取る

多くの病院では、院外処方が採用されています。
診察のあとに「この処方せんを薬局に持って行ってください」と言われたら、
それが院外処方です。

2. 処方せんを持って薬局に行くときの流れ

処方せんを持って薬局に行くとき、
一般的な流れは次のようになります。

  1. 病院で診察を受け、処方せんを受け取る
  2. 薬局を選び、処方せんを持って行く
  3. 受付で処方せんと健康保険証を出す
  4. 薬剤師が内容を確認し、必要に応じて質問をする
  5. 薬を準備し、飲み方や注意点を説明する
  6. 会計をして薬を受け取る

2-1. どの薬局に行ってもよいのか

処方せんは、多くの場合、
どの調剤薬局に持って行っても受け付けてもらえます

病院の近くにある薬局でも、
自宅や職場・学校の近くにある薬局でもかまいません。

ただし、処方せんの有効期限内に行くことが大切です。

2-2. 薬局で持って行くとよいもの

薬局に行くときは、できれば次のものを持って行きましょう。

  • 処方せん
  • 健康保険証
  • 在留カード
  • お薬手帳(持っていれば)

お薬手帳があると、
過去にどの薬を飲んだか、アレルギーはないかなどを、
薬剤師が確認しやすくなります。

3. ジェネリック医薬品とは何か

日本の薬局では、薬をもらうときに
「ジェネリック医薬品に変更できます」と説明されることがあります。

ジェネリック医薬品とは、
ある程度の期間が過ぎた先発医薬品(最初につくられた薬)と、
同じ有効成分を使ってつくられた薬のことです。

3-1. ジェネリック医薬品の特徴

一般的に、ジェネリック医薬品には次のような特徴があります。

  • 有効成分は先発品と同じ
  • 価格が先発品より安いことが多い
  • 形や色、添加物は先発品と異なる場合がある

成分が同じでも、
錠剤の大きさや飲みやすさ、包装の形などは違うことがあります。
気になる点があれば、薬剤師に相談するとよいでしょう。

3-2. なぜジェネリック医薬品があるのか

新しい薬(先発品)を開発するには、多くの時間とお金がかかります。
そのため、一定期間はその会社だけがその薬を作る権利を持ちます。

その期間が終わると、
他の会社も同じ有効成分を使った薬を作ることができるようになります。
これがジェネリック医薬品で、
多くの場合、価格が比較的安く設定されます。

4. ジェネリック医薬品を選ぶときの考え方

4-1. 薬局でよくある説明

薬局では、薬剤師から次のように聞かれることがあります。

  • 「ジェネリック医薬品に変更してもよろしいですか。」
  • 「同じ成分で、価格の安いお薬に変更することもできます。」

これは、
同じ有効成分であれば、先発品かジェネリックのどちらかを選べるケースがあるためです。

4-2. 選ぶときのポイント

ジェネリックにするかどうか迷うときは、
次のような点を薬剤師に質問してみるとよいでしょう。

  • 「先発品と成分は同じですか。」
  • 「価格はどのくらい変わりますか。」
  • 「錠剤の大きさや飲みやすさはどうですか。」

不安が残る場合は、
「今回は先発品のままにしたいです」と伝えてもかまいません。
どちらを選ぶかは、患者本人の希望も尊重されます。

5. 薬を受け取ったあとの確認と、分からないときの相談

5-1. 受け取ったときに確認しておきたいこと

薬を受け取ったら、次の点を確認しておきましょう。

  • 薬の名前と目的(何の症状に使う薬か)
  • 1日に飲む回数と、1回に飲む量
  • 飲むタイミング(食前・食後・寝る前など)
  • 飲み忘れたときの対処(いつ飲み直すか、飲み飛ばすかなど)
  • 主な副作用の例

分からないまま薬を飲むと、
効果が十分に出なかったり、思わぬ副作用につながることもあります。
薬剤師の説明を聞いても分からない場合は、
「もう一度ゆっくり説明してもらえますか」と遠慮なく聞いて大丈夫です。

5-2. 日本語が不安な場合の工夫

日本語が得意でない場合は、
事前に次のような準備をしておくと安心です。

  • 母語や英語で「持病」「アレルギー」「以前副作用が出た薬」などをメモしておく
  • 翻訳アプリで日本語に変換した画面を見せる
  • 薬の説明書をもらったら、後でゆっくり翻訳アプリで読む

完璧な日本語で話す必要はありません。
「熱があります」「頭が痛いです」「アレルギーがあります」など、
短く伝えるだけでも、薬剤師は状況を理解しようとしてくれます。

6. よくある質問(Q&A)

Q1. 処方せんをなくしてしまいました。どうすればよいですか。

処方せんをなくした場合は、
まず診察を受けた病院やクリニックに連絡し、事情を説明してください。
対応は医療機関ごとに異なりますが、再発行の可否や必要な手続きについて案内してもらえます。

Q2. 処方せんの有効期限が過ぎてしまいました。

有効期限が過ぎた処方せんは、そのままでは薬局で使えないことがほとんどです。
再度受診が必要になる場合もあります。
できるだけ早めに病院やクリニックに相談し、どうすべきか確認してください。

Q3. ジェネリックに変更したあと、体に合わないと感じた場合はどうすればよいですか。

ジェネリック医薬品に変更したあと、
明らかに体調が悪くなったと感じる場合は、
すぐに薬の服用を中止し、処方医や薬局に相談してください。
場合によっては、先発品に戻す・別の薬に変更するなどの対応が検討されます。

Q4. 薬の名前が長くて覚えられません。どうしたらよいですか。

日本の薬の名前は、カタカナや英語が混ざって長くなりがちです。
無理に覚えようとせず、
お薬手帳やメモに貼られたシールをそのまま保管しておきましょう。
次に病院や薬局に行くとき、その紙や手帳を見せれば、
医師や薬剤師はすぐに内容を理解できます。

7. まとめ:処方せんとジェネリックを理解して、薬局を味方にする

  • 処方せんは、医師から薬局への指示書であり、有効期限内に薬局へ持って行く必要があります。
  • 薬局では、処方せん・健康保険証・お薬手帳などを見せながら、薬を準備してもらいます。
  • ジェネリック医薬品は、先発品と同じ有効成分を持ちながら、価格が安いことが多い薬です。
  • ジェネリックを選ぶかどうかは、成分・価格・飲みやすさなどの情報を聞いたうえで、自分の希望を伝えて決めることができます。
  • 日本語が不安でも、メモや翻訳アプリを使って情報を共有すれば、薬剤師と一緒に安全で自分に合った薬の使い方を考えることができます。

このページの内容を参考に、
自分の薬の情報(薬の名前・飲み方・アレルギーなど)を、
お薬手帳やメモに整理しておくことをおすすめします。
それが、次に薬局や病院を利用するときの大きな助けになります。

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