日本での生活・仕事・勉強の中で、
ストレスをまったく感じない人はいません。
言語・文化・人間関係・お金・将来など、
在留外国人ならではのストレスもたくさんあります。
このページでは、
ストレスとうまく付き合う日常のセルフケアの基本を、
在留外国人向けにやさしい日本語で整理します。
ストレスを「ゼロ」にするのではなく、
「自分を少し守る習慣を増やしていく」というイメージで読んでみてください。
1. セルフケアとは?「自分を大事にする小さな習慣」
セルフケアとは、
自分の心と体の状態を意識し、無理をしすぎないように整えていくことです。
高価なサービスを利用することだけがセルフケアではありません。
たとえば、次のような小さな行動もセルフケアです。
- よく眠るための工夫をする
- 少しだけでも体を動かす
- 信頼できる人と気持ちを共有する
- 一日10分だけ「何もしない時間」を作る
大切なのは、
「がんばる」だけでなく、「休む」ことも自分の仕事の一部だと考えることです。
2. まず整えたい「基本の3つ」:睡眠・食事・休息
心のセルフケアを考えるとき、
いきなり難しいことをする必要はありません。
まずは、次の3つの基本を意識してみましょう。
2-1. 睡眠:質を少しでも上げる工夫
睡眠は、心と体の回復にとても重要です。
日本の生活が忙しくても、次のような工夫ができるかもしれません。
- 寝る1時間前は、スマホやパソコンの画面から少し離れる
- 寝る時間・起きる時間をできるだけ毎日同じにする
- カフェイン(コーヒー・エナジードリンクなど)は夜は控える
- 寝る前に、深呼吸やストレッチなどで体をゆるめる
完璧にできなくても構いません。
「今より少しだけ眠りやすくする」という目標で考えてみてください。
2-2. 食事:エネルギーを切らさないために
忙しいと、つい食事を抜いたり、偏った食事になったりします。
すぐに完璧な栄養バランスを目指す必要はありませんが、
- 一日一回は、温かい食べ物をとる
- まったく食べない時間が長く続かないようにする
- お菓子だけで食事を済ませないよう意識する
といった、小さなところから始めることができます。
2-3. 休息:予定に「何もしない時間」を入れる
日本での生活は、
授業・仕事・アルバイト・勉強・家事などで、予定が埋まりがちです。
だからこそ、意識して「何もしない時間」を入れてみてください。
- 一日10〜15分だけ、スマホを置いてぼーっとする
- 好きな音楽を聴く時間を決める
- 短く散歩する(5〜10分でもOK)
こうした短い休息でも、
ストレスをため続けるのを防ぐ役に立ちます。
3. 日常でできる「ストレスのガス抜き」の方法
ストレスをまったく感じない生活は現実的ではありません。
その代わり、少しずつガス抜きする習慣を持つことが大切です。
3-1. 体を少し動かす
激しい運動でなくても、
体を軽く動かすことで気分が変わることがあります。
- エレベーターではなく階段を使ってみる
- 帰り道を少しだけ遠回りして歩く
- 家の中でストレッチをする
「運動をがんばる」のではなく、
「日常生活の中でちょっとだけ動きを増やす」というイメージが続けやすいです。
3-2. 言葉にして外に出す
ストレスを心の中だけにためておくと、どんどん重く感じてしまいます。
安心できる方法で、少し外に出してみましょう。
- 信頼できる友人や家族にメッセージで気持ちを打ち明ける
- 紙やメモアプリに、その日のモヤモヤを書いてみる
- 自分あての手紙を書く(送らなくてよい)
誰かに話すのが難しいときは、
まずは自分のためだけの日記から始めてもかまいません。
3-3. 「好きなことリスト」を作る
ストレスが強くなると、
楽しいことや好きなことを思い出しにくくなります。
そのため、元気なときに「好きなことリスト」を作っておくのも有効です。
- 好きな食べ物・飲み物
- 好きな音楽・動画・映画
- 行くと落ち着く場所(公園・カフェなど)
- 話すと安心する人
つらいときには、
リストから一つだけ選んで試してみる、という使い方ができます。
4. 「がんばりすぎ」に気づくためのサイン
セルフケアの重要なポイントは、
がんばりすぎている自分に気づくことです。
4-1. よくある「がんばりすぎ」のパターン
- 休みの日もずっと仕事や勉強のことを考えている
- 疲れていても、断るのがこわくて頼まれごとを断れない
- 少し休むと「サボっている」「怠けている」と自分を責めてしまう
- 体調が悪くても、「これくらい大したことない」と無視してしまう
当てはまるものがあっても、
自分を責める必要はありません。
ただ、「もしかしたら今、がんばりすぎかもしれない」と
気づくだけでも大きな一歩です。
4-2. 少しだけ「ブレーキ」をかける行動
がんばりすぎに気づいたとき、
いきなり大きく生活を変える必要はありません。
まずは、次のような小さなブレーキを試してみてください。
- 一日の中で「ここだけは休む時間」を決める
- 残業やアルバイトを入れすぎないよう、曜日を決めて制限する
- どうしてもつらいときは、誰か一人にだけ「今ちょっと大変です」と伝える
自分を守るためのブレーキは、
決して「弱さ」ではなく長くがんばるための技術です。
5. セルフケアだけでは足りないと感じるとき
セルフケアは大切ですが、
セルフケアだけでは追いつかない状態になることもあります。
例えば、次のような状態が続く場合は、
自分だけで何とかしようとせず、相談や受診も選択肢に入れてください。
- 強い不安・落ち込みが数週間以上続いている
- ほとんど眠れない、または逆に眠り過ぎてしまう
- 学校や仕事に行けない日が増えている
- 自分を責める考えが止まらない
- 自分を傷つけてしまいそうな気持ちが出てくる
こうした状態は、
「自分が弱いから」ではなく、
「今は専門家の手助けが必要なタイミング」だと考えてみてください。
5-4-1〜5-4-3で紹介したような相談先や受診のステップも参考になります。
6. よくある質問(Q&A)
Q1. セルフケアをしても、なかなか楽になった感じがしません。
セルフケアは、すぐに劇的な変化が出るものではないことも多いです。
「少し寝つきが良くなった」「前よりイライラが少し減った」など、
小さな変化を見つけるように意識してみてください。
それでもつらい場合は、セルフケアと同時に相談先・医療機関の利用も考えてよいタイミングです。
Q2. 忙しくて、セルフケアの時間を取る余裕がありません。
忙しいときこそ、自分の体と心を守る時間が必要になります。
「新しいことを追加する」のではなく、
すでにある習慣の中で少し変えられるポイントを探してみてください。
例えば、「通学・通勤の5分だけ歩く速度をゆるめる」「寝る直前のスマホの時間を10分だけ削る」など、小さな工夫でも構いません。
Q3. 自分だけの楽しみやリラックス方法に罪悪感を感じてしまいます。
自分を大切にする時間は、決して「わがまま」ではありません。
心と体が限界に近づくと、勉強や仕事のパフォーマンスも下がってしまいます。
長く続けるための「メンテナンス」だと考えてみてください。
Q4. 友人や家族に相談しても、あまり分かってもらえません。
相手が悪いわけではなく、「どう支えればよいか分からない」だけの場合もあります。
そのようなときは、メンタルヘルスの相談窓口や専門家に話すことで、
より適切なサポートを得られる可能性があります。
友人・家族は「日常の支え」、専門家は「専門的な支え」と役割を分けて考えてもよいでしょう。
7. まとめ:ストレスゼロではなく、「自分を守る習慣」を少しずつ増やす
- セルフケアは、自分の心と体を大切にするための「小さな習慣」の積み重ねです。
- まずは、睡眠・食事・休息という基本を少し整えることから始められます。
- 体を動かすこと、言葉にして外に出すこと、「好きなことリスト」を用意しておくことは、日常のストレスのガス抜きになります。
- がんばりすぎのサインに気づいたら、小さなブレーキをかけることが、長くがんばるための技術です。
- セルフケアだけでは追いつかないと感じるときは、ひとりで抱え込まず、相談窓口や医療機関の利用も選択肢に入れてください。
このページを読み終えたら、
「今日からできそうなセルフケアを1つだけ」選んでみてください。
大きな変化ではなくても、その小さな一歩が、
日本での生活の中で自分を守る力につながっていきます。


コメント