初めての救急外来:受診の流れと持ち物の基本|日本で急に病院に行くときのために

日本で急に具合が悪くなり、
救急外来に行くことになったとき、
「何が起こるのか分からない」「日本語で説明できるか不安」と感じる人は多いです。

このページでは、
初めての救急外来:受診の流れと持ち物の基本を、
在留外国人向けにやさしい日本語で整理します。
実際の運用は病院によって少しずつ違いますが、
ここでは一般的なイメージをつかむことを目的としています。

1. 救急外来に行く前に知っておきたいこと

救急外来は、
今すぐ医師に診てもらう必要がある人のための窓口です。
夜間・休日だけでなく、昼間でも救急外来を持っている病院があります。

「どの病院の救急外来に行けばよいか分からない」場合は、
事前に自治体の夜間・休日診療案内や救急相談窓口を確認しておくと安心です。

2. 救急外来での一般的な流れ

病院によって細かい違いはありますが、
救急外来を利用するときの流れのイメージは、だいたい次のようになります。

  1. 病院に到着する(救急車または自分で行く)
  2. 受付で手続きと症状の確認
  3. 看護師による状態のチェック(問診・バイタルサインの測定など)
  4. 医師による診察
  5. 必要に応じて検査・処置・点滴など
  6. 帰宅または入院の説明
  7. 会計と次回以降の受診案内

症状の重い人から優先して診るため、
到着順に呼ばれないことや、待ち時間が長くなることもあります。

3. 受付で聞かれやすいことと準備しておく情報

救急外来の受付では、
次のようなことを聞かれることが多いです。

  • 名前・生年月日
  • 住所・連絡先
  • 健康保険証の有無・種類
  • 主な症状(どこが、どのように、いつから)
  • いつ・どこで起きた症状か(事故・けがの場合など)

日本語が不安な場合は、
事前に次のような情報をメモにまとめておくと、
受付のスタッフに見せて説明しやすくなります。

  • フルネーム(アルファベット表記も含めて)
  • 生年月日
  • 住所(日本語でも英語でも)
  • 緊急連絡先(家族や友人など)
  • 症状の始まった日時ときっかけ
  • 今一番つらい症状

メモは母語や英語で書いておき、
翻訳アプリで日本語を併記しても構いません。

4. 看護師による状態チェック(トリアージ)のイメージ

救急外来では、多くの場合、
「トリアージ」と呼ばれる優先度の判断が行われます。
これは、症状の重さや緊急性を見て、
どの人から診察するか決めるための仕組みです。

看護師から次のようなことを確認されることがあります。

  • 今の症状の詳しい内容(痛み・息苦しさ・めまいなど)
  • 痛みの強さ(0〜10などの数字で聞かれることもある)
  • 意識ははっきりしているか
  • 手足は動くか
  • 持病や普段飲んでいる薬があるか

また、次のようなバイタルサインを測ることもあります。

  • 体温
  • 血圧
  • 脈拍
  • 血中酸素飽和度(指にはさむ機械で測ることが多い)

こうした情報をもとに、
「すぐに診察が必要か」「少し待つことができるか」などが判断されます。

5. 医師の診察と検査・処置のイメージ

5-1. 医師からよく聞かれる質問

医師の診察では、まず問診(質問)が行われます。
具体的には次のようなことを聞かれることが多いです。

  • 症状はいつから始まったか
  • 症状が強くなったり、弱くなったりしているか
  • どんなときに症状が強くなるか
  • これまでに同じような症状があったか
  • アレルギーや持病があるか
  • 最近飲んだ薬・常に飲んでいる薬はあるか

日本語が難しい場合は、
事前に母語や英語で自分の状態をまとめ、
翻訳した文章を見せながら説明する方法も使えます。

5-2. 検査や処置の例

症状に応じて、次のような検査や処置が行われることがあります。

  • 血液検査・尿検査
  • レントゲン検査
  • CT検査・MRI検査
  • 点滴・注射
  • 傷の洗浄や縫合(けがの場合)

検査や処置の前に、
医師や看護師から内容や目的の説明があります。
よく分からないときは、遠慮せずに

  • 「もう一度、ゆっくり説明してもらえますか。」
  • 「これは何のための検査(処置)ですか。」

と聞いて大丈夫です。

6. 帰宅か入院かの説明と、会計の流れ

6-1. 帰宅できる場合

検査や診察の結果、
自宅で安静にして様子を見ることが可能と判断された場合は、
帰宅することになります。

このとき、次のことを確認しておきましょう。

  • 処方された薬の飲み方・回数・期間
  • どのような症状が出たら、再度受診すべきか
  • 翌日以降、どの診療科や病院に行けばよいか

会計では、通常の外来と同じように、
健康保険証を提示して医療費の自己負担分を支払います。
夜間・休日・救急などの加算がつく場合がありますが、
詳細は受付で確認できます。

6-2. 入院が必要な場合

状態によっては、
そのまま入院が必要と判断されることもあります。

入院が決まった場合には、

  • 入院期間の見込み
  • 病棟・部屋の種類(大部屋・個室など)
  • 入院費用の目安
  • 家族や連絡先への連絡方法

などについて説明があります。
分からない点があれば、その場で質問して構いません。

7. 救急外来に行くときに持って行くとよいもの

救急の場合、準備する時間がないことも多いですが、
可能であれば次のものを持って行くと役に立ちます。

  • 健康保険証
  • 在留カード
  • お薬手帳(または普段飲んでいる薬そのもの)
  • 現金またはキャッシュカード・クレジットカード
  • 緊急連絡先が書かれたメモ
  • 症状や持病をまとめたメモ(日本語または日本語+英語など)

持ち物が足りない場合でも、
後日提出を求められるなど、柔軟に対応してもらえることが多いので、
「何も持っていないから行けない」と思い込む必要はありません。

8. 日本語が不安な場合の工夫

8-1. 事前作成の「救急カード」を用意する

いざというときのために、
次の情報をまとめた「救急カード」を作っておくと安心です。

  • 名前・生年月日
  • 連絡先・住所
  • 持病・アレルギー
  • 普段飲んでいる薬
  • 話せる言語
  • 緊急連絡先(家族・友人など)

これを財布やスマートフォンに入れておけば、
救急外来でも情報を伝えやすくなります。

8-2. 短いフレーズだけ覚えておく

日本語ですべて説明する必要はありません。
次のような短いフレーズだけでも覚えておくと、
状況を伝えやすくなります。

  • 「胸がとても痛いです。」
  • 「息が苦しいです。」
  • 「頭を強く打ちました。」
  • 「吐き気があります。」
  • 「アレルギーがあります。」

そのほかの詳しい説明は、
メモや翻訳アプリを使って補う方法もあります。

9. よくある質問(Q&A)

Q1. 救急外来に行くかどうか、自分で判断するのがこわいです。

その不安はとても自然なものです。
迷ったときは、一人で判断しようとせず、
自治体の救急相談窓口や、119番への相談も選択肢に入れてください。
プロと一緒に判断することで、安心感が高まります。

Q2. 救急外来では、どのくらい待つことが多いですか。

救急外来では、症状の重い人から優先して診察します。
そのため、軽症と判断された場合は、長時間待つこともあります。
待ち時間が長くても、「順番が来ない=自分が忘れられている」という意味ではなく、
より重い症状の患者さんを先に診ている場合があります。

Q3. 日本語がほとんど話せません。救急外来に行っても大丈夫でしょうか。

はい、命や安全が心配なときは、日本語力に関係なく救急外来を利用してかまいません。
ジェスチャーや簡単な日本語・英語、メモなどを使って、
できる範囲で状況を伝えてください。
可能であれば、日本語が話せる知人に同席や電話サポートをお願いすることも有効です。

Q4. 救急外来で診てもらったあと、どの病院に通えばよいか分かりません。

医師や看護師から、「今後はこの診療科に行ってください」「かかりつけ医で継続的に診てもらってください」などの案内があるはずです。
分からない場合は、「この後、どこに行けばいいですか」と質問してかまいません。
紹介状をもらえる場合もあります。

10. まとめ:流れを知っておくことで、不安を少し減らす

  • 救急外来は、「今すぐ医師に診てもらう必要がある人」のための窓口です。
  • 到着後は、受付 → 状態チェック(トリアージ) → 診察 → 検査・処置 → 帰宅または入院 → 会計、というのがおおまかな流れです。
  • 受付や診察でよく聞かれる内容は、事前にメモを準備しておくことで、日本語が不安でも伝えやすくなります。
  • 健康保険証・在留カード・お薬手帳・緊急連絡先などは、持って行くと安心な持ち物です。
  • いざというときのために、自分の基本情報や持病・服薬状況をまとめた「救急カード」を作っておくと、あなた自身と医療スタッフの双方にとって大きな助けになります。

このページを読み終えたら、
ぜひ一度、自分の情報を整理したメモや「救急カード」を作ってみてください。
実際に使う場面が来ないことが一番ですが、
もしものときの備えとして、大きな安心につながります。

コメント