初めて日本の病院やクリニックに行くとき、
「受付で何を言えばいい?」「どこで待てばいい?」「薬はどこでもらうの?」
と不安に感じる在留外国人の方は多いです。
このページでは、
初めて日本の病院に行くときの基本的な流れを、
在留外国人向けにやさしい日本語で整理します。
実際の細かいルールは病院ごとに少しずつ違いますが、
ここで紹介する流れを知っておくと、当日の戸惑いを減らせます。
1. 病院に行く前に準備しておくもの
当日あわてないように、家を出る前に次のものを確認しておきましょう。
- 健康保険証:国民健康保険や会社の健康保険などの保険証
- 本人確認書類:在留カード・学生証など(求められることがあります)
- お薬手帳:持っている場合。なければ、現在飲んでいる薬の情報
- 現金やクレジットカード:診察料・検査代・薬代の支払い用
- 症状や質問をまとめたメモ:日本語が不安な場合は特に有効
また、予約制の医療機関に行く場合は、
予約時間や予約方法(受付で予約名を伝えるか、機械に番号を入れるか など)も確認しておきましょう。
2. 受付での流れ
2-1. 受付で最初に伝えること
病院やクリニックに着いたら、まず受付に行きます。
初めて行く医療機関の場合、次のように伝えるとスムーズです。
- 「はじめて受診します。」
- 「○○科を予約しました。」(予約している場合)
受付では、多くの場合、
- 健康保険証の提示
- 氏名・生年月日・連絡先の確認
があります。
日本語が不安な場合は、健康保険証と在留カードを一緒にそっと出して、
「日本語があまり得意ではありません」と伝えると、
ゆっくり話してくれることもあります。
2-2. 診察券の発行
多くの医療機関では、
初診のときに診察券(プラスチックカードなど)が発行されます。
診察券には、
- 患者番号
- 氏名
- 医療機関名
などが書かれています。
次回以降の受診のときも必要になるので、なくさないように保管しましょう。
3. 問診票(医療質問票)の記入
3-1. 問診票とは
受付が終わると、
多くの場合、問診票(医療質問票)を渡されます。
問診票には、次のような項目が含まれることがあります。
- 今日の主な症状(いつから・どこが・どのように)
- これまでの病気や手術の経験
- 現在飲んでいる薬
- アレルギーの有無
- 妊娠の可能性(女性の場合)
3-2. 日本語が難しいときの工夫
日本語だけの問診票で、
意味がよく分からない項目がある場合は、
- 空欄のままにしておき、診察のときに医師に直接聞いてもらう
- 受付で「ここがよく分かりません」と相談する
といった対応でも問題ありません。
無理に推測して書くよりも、分からないままにしておいて相談する方が安全です。
4. 診察を待つときの流れ
問診票の記入が終わったら、
受付に提出し、指定された場所で診察の順番を待ちます。
- 待合室の椅子に座って名前を呼ばれるのを待つ
- 番号札やモニターで順番を確認する方式のところもある
呼び方は、
- フルネーム
- 苗字のみ
- 受付番号
など、医療機関によって違います。
自分の名前や番号が呼ばれたら、指示された診察室へ向かいます。
5. 診察室での流れ
5-1. 医師に伝える基本情報
診察室では、医師から次のような質問をされることが多いです。
- 「いつからですか?」(症状が出た時期)
- 「どこが痛いですか?」(部位)
- 「どんな痛みですか?」(ズキズキ・重い・しめつけられる など)
- 「お薬は飲んでいますか?」
日本語が不安な場合は、
あらかじめ準備したメモを見せながら説明しても構いません。
5-2. うまく話せないときの伝え方
緊張や体調不良で、うまく日本語が話せないこともあります。
その場合は、次のような短いフレーズだけでも十分役に立ちます。
- 「ここが痛いです。」(指で場所を指しながら)
- 「○日前からです。」
- 「とても痛いです。」
大切なのは、
完璧に話すことではなく、医師が必要な情報をつかめるようにすることです。
6. 検査・処置がある場合の流れ
症状によっては、診察のあとに
- 血液検査
- レントゲン(X線)
- 心電図
- 点滴や注射
などの検査や処置を行うことがあります。
その場合は、
- スタッフから検査の場所まで案内される
- 検査の前に簡単な説明を受ける
- 検査のあと、再度診察室で結果を聞く
といった流れになることが多いです。
7. 会計の流れ
7-1. 診察が終わったら受付・会計へ
診察と検査・処置が終わると、
多くの場合、医師や看護師から
「今日はこれで終わりです。受付で会計をしてください。」
などの案内があります。
そのあと、
- 受付に診察券やファイルを戻す
- 会計番号が表示されるのを待つ
という流れになります。
7-2. 支払いと領収書
自分の番号が呼ばれたら、会計窓口で支払いをします。
支払い方法は、医療機関によって
- 現金のみ
- 現金+クレジットカード
など違いがあります。
支払いの際には、
- 領収書
- 明細書
を受け取ることが多いです。
後から保険会社や会社・学校に提出する必要がある場合もあるので、
紛失しないように保管しましょう。
8. 薬の受け取り(院外処方の場合)
8-1. 処方せんを受け取る
医師が薬を出すと判断した場合、
診察後に処方せんを渡されることがあります。
処方せんには、
- どの薬局で使ってもよいタイプ
- 病院の中やすぐ近くの薬局のみで使うタイプ
などがありますが、
多くは「院外処方」で、近くの調剤薬局に持って行って薬を受け取ります。
8-2. 薬局での流れ
調剤薬局に行ったら、受付で
- 処方せん
- 健康保険証
- お薬手帳(持っている場合)
を出します。
しばらく待つと、薬剤師から
- 薬の飲み方
- 回数・タイミング
- 注意すべき点
などの説明があります。
日本語が難しいと感じた場合は、
- 「もう一度ゆっくりお願いします。」
- 「ここに書いてもらえますか。」
とお願いしても問題ありません。
9. 在留外国人が特に意識しておきたいポイント
9-1. 日本語が不安なら「最初に伝える」
受付や診察の最初に、
「日本語があまり得意ではありません」と一言伝えておくと、
スタッフがゆっくり話してくれたり、簡単な言葉を選んでくれることがあります。
9-2. 分からないことはその場で確認する
「後で調べればいい」と思っていると、
家に帰ってから不安になることもあります。
分からないことがあれば、診察室や薬局で、
- 「もう一度お願いします。」
- 「簡単な言葉で説明してもらえますか。」
と確認しても大丈夫です。
9-3. 次回の予約や注意事項をメモしておく
帰る前に、
- 次回の受診日時
- 薬を飲む回数・期間
- 注意するべき症状(悪化サイン)
をメモしておくと、安心して自宅で過ごせます。
10. よくある質問(Q&A)
Q1. 予約なしで行っても診てもらえますか?
医療機関によっては、予約なしでも診察してくれるところもありますが、
待ち時間が長くなることがあります。
また、完全予約制の病院もあるため、
できれば事前にホームページや電話で「予約が必要かどうか」を確認しておくと安心です。
Q2. 日本語でうまく答えられなかった場合、診察に影響しますか?
医師は、限られた情報からでも必要な質問を追加してくれます。
完璧に話せなかったとしても、
症状の大事な部分が伝われば診察は十分可能です。
不安なときは、メモや翻訳アプリを見せながら説明しても問題ありません。
Q3. 診察中に聞きたいことを忘れてしまいました。
よくあることです。
次回の診察のときに、
「前回のことで質問があります」と伝えて聞いても大丈夫です。
重要な質問は、あらかじめメモに書いておくと安心です。
Q4. 薬の説明がよく分からないまま帰ってしまいました。
薬について不安がある場合は、
処方してもらった薬局に電話して確認することができます。
その際、薬の袋やラベルに書かれている情報を手元に用意しておくとスムーズです。
11. まとめ:流れを知っておくと不安が小さくなる
- 日本の病院・クリニックでは、「受付 → 問診票 → 診察 → 検査・処置 → 会計 → 薬局」という流れが一般的です。
- 健康保険証・お薬手帳・症状のメモなどを準備しておくと、初めての受診でも落ち着いて対応しやすくなります。
- 日本語が不安な場合は、最初にそのことを伝え、メモや簡単なフレーズを活用することで、必要な情報を共有できます。
- 分からない点はその場で質問し、次回の予約や薬の飲み方など、重要な情報はメモしておくことが大切です。
- 一度受診の流れを経験してみると、2回目以降はぐっと不安が減り、日本の医療をより安心して利用できるようになります。
このページを読んだあと、
ぜひ一度、自分の生活エリアの医療機関の情報とあわせて、
当日の流れをイメージしてみてください。
事前に準備しておくことで、日本での医療体験は、ずっとスムーズになります。


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