「有給休暇を使いたいけれど、上司に言い出しにくい」
「シフト制の職場で休みをお願いすると、悪い気がする」
日本で働く在留外国人の方から、こんな声をよく聞きます。
このページでは、
有給休暇と休みの取り方について、
基本的な考え方と、実際の伝え方のポイントを、やさしい日本語で整理します。
1. 有給休暇とは何か(イメージをつかむ)
有給休暇(有休)とは、簡単に言うと、
- 会社を休んでも、その日の給料が出る休み
のことです。
一定の条件を満たすと、
働いている人に少しずつ有給休暇が増えていく仕組みになっています。
正社員だけでなく、
条件を満たしたアルバイト・パートにも関係する制度です。
2. 有給休暇を「どう使うか」の基本的な考え方
有給休暇は、本来「働く人のための権利」です。
使い方にはいろいろなパターンがあります。
- 帰省(母国・実家に帰る)
- 大事な手続き(役所・銀行・入管など)
- 検査や通院などの医療
- どうしても休みたいイベント・行事
- 心と体を休めるためのリフレッシュ
「特別な用事がないと使ってはいけない」と思う人もいますが、
基本的には、自分の体調・生活のために使ってよい休みです。
もちろん、職場の状況をまったく考えないのは良くありませんが、
「使いたいときに相談してよいもの」と考えて大丈夫です。
3. 事前に分かっている用事で休みたいとき
有給休暇やお休みを取りやすいのは、
あらかじめ日程が分かっている用事があるときです。
3-1. 早めに相談するのがいちばん大事
職場にとって一番困るのは、
「直前まで何も知らされていないこと」です。
反対に、早めに相談しておけば、
シフト調整や代わりの人の手配がしやすくなります。
目安としては、
- 旅行・帰省など:数週間〜1か月前
- 大きな手続き(入管・役所など):日程が決まった時点で
には、相談をスタートできると安心です。
3-2. 上司への伝え方の例(事前に分かっている場合)
日本語での言い方の例をいくつか紹介します。
- 「◯月◯日に、入管での手続きがあるため、有給休暇を使わせていただきたいです。」
- 「◯月◯日〜◯日まで、母国に帰省する予定があるので、この期間お休みをいただけますか。」
- 「この日は病院の検査があり、丸一日かかると言われています。有給休暇を申請したいです。」
完璧な敬語でなくてもかまいません。
日付・理由・有給を使いたいことが伝われば十分です。
4. シフト制の職場で休みを相談するとき
コンビニ・飲食店・工場などのシフト制の職場では、
休みの相談の仕方に悩む人が多いです。
4-1. シフト希望を出すときに一緒に伝える
多くの職場では、
- 「来月のシフト希望を◯日までに出してください」
のようなルールがあります。
このタイミングで、
- 「この日は入れない日」
- 「この日はできれば休みたい日」
を、一緒に伝えるのがスムーズです。
例:
- 「◯日は学校の用事があるので、シフトに入れないようにお願いします。」
- 「◯日はできれば休みにしたいのですが、難しい場合は相談させてください。」
4-2. 「絶対に休みたい日」と「調整できる日」を分ける
すべての希望が通るとは限りません。
そのため、
- どうしても休みたい日(試験・入管・重要な手続きなど)
- できれば休みたい日(家族との予定・イベントなど)
を分けて伝えると、
店長・上司も調整しやすくなります。
5. 急な体調不良や家の事情で休みたいとき
事前に分かっている用事だけでなく、
急な体調不良や家庭の事情で休まなければならないこともあります。
5-1. 体調が悪いときの基本
体調が悪いときに無理をすると、
自分の健康をさらに悪くしてしまったり、
周りの人にうつしてしまう可能性もあります。
体調不良で休む必要がある場合は、
- できるだけ早く(可能なら出勤前に)連絡する
- 「熱がある」「頭が痛い」など、簡単に状況を伝える
- 無断で休まない(連絡なしで休まない)
ことが大切です。
5-2. 連絡の具体的な言い方(急な場合)
- 「すみません、本日朝から熱があり、体調が悪いため、お休みをいただきたいです。」
- 「昨夜から体調を崩してしまい、どうしても出勤が難しいです。今日はお休みをいただけますか。」
- 「急な連絡で申し訳ありませんが、家族の事情で本日のシフトに入ることができません。」
メッセージで済ませてよいか、必ず電話が必要かなどは、
職場のルールにしたがいましょう。
6. 休みを取りにくい職場での注意点
職場によっては、
「休みたい」と言い出しにくい雰囲気があるかもしれません。
6-1. 言いにくさを減らすための工夫
- できるだけ早めに相談する(直前にならないように)
- 理由をシンプルに伝える(長い説明は不要)
- 「できるだけご迷惑をおかけしないように調整します」という気持ちを添える
例:
- 「◯日は、どうしても外せない用事があり、お休みをいただきたいです。前後の日はしっかり働きます。」
このように、一言添えるだけでも印象が変わります。
6-2. 「まったく休めない」状態が続くとき
有給休暇を一切使わせない、
休みの希望を出すことすら許さない、
といった状態が続く場合は、
職場のルールや対応に問題がある可能性もあります。
そのようなときは、
- 信頼できる先輩や友人に相談する
- 労働相談窓口や支援団体に相談する
といった方法で、
一人で抱え込まないようにすることも大切です。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 有給休暇を使いたいと言ったら、「忙しいからダメ」と言われました。あきらめるしかないですか?
繁忙期など、会社が忙しい時期には、
日程の変更をお願いされることはあります。
しかし、いつまでもまったく使えない状態が続くのは、問題がある場合もあります。
まずは日程を変える提案をしてみて、
それでもずっとダメな場合は、外部の相談窓口に相談することも検討しましょう。
Q2. 有給休暇の「理由」はどこまで詳しく言う必要がありますか?
一般的には、
「私用のため」「通院のため」「帰省のため」など、
簡単な説明で大丈夫なことが多いです。
プライベートな内容を、細かく説明する必要はありません。
Q3. 休みの相談をしたら、「やる気がない」と思われそうで不安です。
その気持ちは自然なものですが、
休みを取ることは、仕事を長く続けるためにも必要です。
普段の仕事でしっかり働いていること、
早めに相談していることが伝わっていれば、
「やる気がない」と決めつけられるとは限りません。
Q4. 在留資格の更新や入管の手続きのために休みたいとき、どう伝えればよいですか?
在留資格の更新などは、
日本で働くうえでとても大切な手続きです。
「在留資格の更新で入管に行く必要があるので、この日はお休みをいただきたいです。」
のように、正直に伝えて問題ありません。
可能であれば、早めに日程が分かった段階で相談するようにしましょう。
8. まとめ:休みを取ることは「長く働くための準備」
- 有給休暇は、働く人が「給料をもらいながら休める」大切な制度です。
- 事前に分かっている用事のときは、できるだけ早めに休みの相談をすることが大切です。
- シフト制の職場では、「絶対に休みたい日」と「調整できる日」を分けて伝えると、調整がしやすくなります。
- 体調不良や急な事情のときは、無断欠勤にせず、できるだけ早く連絡することが基本です。
- まったく休みが取れない状態が続く場合は、一人で我慢せず、外部の相談窓口も利用することを考えましょう。
このページの内容を参考にしながら、
「休みを取ることは悪いこと」ではなく、
長く健康に働くための大事な準備だと考えて、
自分のペースで上手に休みを使っていってください。


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