日本で生活しているとき、
急に体調が悪くなったり、けがをしたりすることがあります。
そのとき、「救急車を呼ぶべきか」「夜や休日はどこに行けばいいのか」
と迷う在留外国人の方も多いです。
このページでは、
救急車(119番)や救急外来を利用するときの基本的な考え方を、
在留外国人向けにやさしい日本語で整理します。
ここで説明する内容はあくまで一般的な目安であり、
命や安全に関わる心配がある場合は、迷わず119番に相談することが大切です。
1. 日本の「119番」とは?
日本では、119番に電話をすると、
救急車・消防に連絡がつながります。
救急車を呼ぶときは、
- 命や安全に関わるかもしれない状態
- 自分で病院に行くのが難しいほど具合が悪い・動けない状態
のときに利用することが基本です。
「救急車を呼んだほうがいいか分からない」ときも、
まず119番に電話して相談することができます。
オペレーターから状態を聞かれ、必要に応じて救急車を出すかどうか判断されます。
2. 救急車を呼ぶことを考えたほうがよい状態のイメージ
実際の判断は医療・救急のプロが行いますが、
一般的に救急車を呼ぶことを考えたほうがよいとされる状態のイメージを紹介します。
2-1. 意識や呼吸に関するサイン
- 意識がはっきりしない、名前を呼んでも反応が弱い
- 突然倒れた、起き上がれない
- 呼吸がとても苦しそう、息がしにくい
2-2. 激しい痛みや出血
- 胸が強く締め付けられるように痛い
- 突然の激しい頭痛がある
- 転倒などで大量に出血している、血がなかなか止まらない
2-3. けいれん・ケガなど
- けいれんが続いている
- 大きな事故・転落・交通事故にあった
- 骨が折れている可能性があり、自分で動けない
これらはあくまで例であり、
実際にはもっとさまざまなケースがあります。
「これは危ないかもしれない」と強く感じるときは、
ひとりで判断せずに119番に相談してかまいません。
3. 救急外来とふだんの外来の違い
日本の病院には、
ふだんの診察(外来)と、
緊急時の診察(救急外来・時間外外来)があります。
3-1. ふだんの外来(通常の診察)
- 主に平日の昼間など、決まった診療時間に開いている
- 予約制のことが多い
- 急ぎではない症状の相談・検査・治療を行う
3-2. 救急外来・時間外外来
- 夜間・休日など、通常の診療時間外にも対応している
- 急な病気・けがなど、緊急性のある症状を優先する
- 待ち時間が長くなることもある(重い症状の人から先に診るため)
救急外来は、
「今すぐに診てもらう必要がある人のための場所」というイメージです。
緊急性が低い症状で救急外来を受診すると、
とても長く待つことになったり、
本当に重い人の対応が遅れる原因になったりすることもあります。
4. 夜間・休日に具合が悪くなったときの考え方
夜や休日に具合が悪くなったとき、
「今すぐ救急車が必要か」「救急外来に行くべきか」「翌日の通常外来を待てるか」
と迷うことがあります。
4-1. すぐに救急車・救急外来を考える場面
次のような場合は、
すぐに119番や救急外来の利用を考えたほうがよいイメージです。
- 命に関わるかもしれないと感じる強い症状
- 意識や呼吸の異常、大量出血、強い胸痛・頭痛など
- 自力で移動ができないほどの状態
4-2. 受診したほうがよさそうだが、少し時間の余裕がありそうな場合
たとえば、
- 高熱が続いていてつらい
- 強い腹痛や嘔吐があるが、意識ははっきりしている
- けがをして出血はあるが、止血できていて歩ける
といった場合には、
地域の「夜間・休日診療」や「救急相談」窓口を利用できることもあります。
自分の住んでいる地域で、どのような仕組みになっているか、
事前に自治体の情報を確認しておくと安心です。
5. 119番に電話するときのポイント(日本語が不安な場合も含めて)
119番に電話すると、
オペレーターから次のようなことを聞かれることが多いです。
- 場所(住所や目印)
- 誰が具合が悪いのか(自分か、家族か、友人かなど)
- どんな症状か(意識・呼吸・痛みなど)
- 事故か病気か
日本語が不安な場合でも、
短い言葉で伝えるだけで、状況を理解してもらいやすくなります。
5-1. 事前に用意しておくと安心なメモ
できれば、ふだんから次のような情報をメモしておくと安心です。
- 自宅の住所・最寄り駅
- よく利用する目印(コンビニ・交差点など)
- 持病や日常的に飲んでいる薬
- 日本語・英語・母語での簡単な症状の言い方
5-2. 日本語で伝えるときのシンプルな表現例
- 「大人(男/女)が一人、意識がないです。」
- 「胸がとても痛いです。」
- 「頭を強く打ちました。出血があります。」
- 「住所は○○です。」
完璧な文法で話す必要はありません。
「誰が」「どこで」「どんな状態か」が伝われば十分です。
6. 救急医療を利用するときに知っておきたいこと
6-1. 待ち時間について
救急外来では、
症状の重い人から優先して診察されます。
そのため、順番が前後したり、長く待つことになったりすることもあります。
6-2. 持って行くとよいもの
可能であれば、次のものを持って行くと手続きがスムーズになります。
- 健康保険証
- 在留カード
- お薬手帳(持っていれば)
- 普段飲んでいる薬(分かる範囲で)
救急の場合、準備する時間がないこともあります。
その場合でも、「あとから家族が持ってくる」など、できる範囲で対応してもらえます。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 救急車を呼んでみたら、大したことではなかったと言われるのがこわいです。
実際に診てみないと分からない症状も多くあります。
命に関わるかもしれない状態や、自分で動けないほどの状態であれば、
ためらわずに119番に相談してかまいません。
「結果的に大事でなかった」としても、
それはむしろ良いことだと考えることができます。
Q2. 救急外来に行ったほうがいいのか、翌日の外来を待つべきか分かりません。
判断が難しいときは、地域の救急相談窓口や、
かかりつけの医療機関に電話で相談できる場合があります。
その地域の仕組みは自治体によって異なるため、
事前に情報を確認しておくと安心です。
Q3. 日本語がほとんど話せません。119番してもいいでしょうか。
はい、命や安全が心配なときは、日本語力に関係なく119番してかまいません。
簡単な日本語・英語・ジェスチャーなどを組み合わせて、
できる範囲で状況を伝えれば大丈夫です。
可能であれば、日本語が話せる知人に一緒に電話してもらう方法もあります。
Q4. 医療費が心配で、救急車や救急外来を使うのをためらってしまいます。
医療費の負担は確かに大切な問題ですが、
命や重い後遺症に関わる可能性がある場合は、
まず安全を優先することが重要です。
そのうえで、医療費や支援制度については、
別途、市区町村や相談窓口で情報を確認していくことができます。
8. まとめ:ひとりで判断しすぎず、「相談する」選択肢を持つ
- 日本では、急な病気やけがのときは119番で救急車・消防につながります。
- 意識・呼吸・大量出血・激しい痛みなど、命や安全が心配な場合は、ためらわずに119番に相談することが大切です。
- 救急外来は「今すぐ診る必要がある人のための場」であり、夜間・休日も含めて緊急性の高い症状に対応します。
- 夜間・休日に具合が悪くなったときは、「救急車・救急外来」「夜間・休日診療」「翌日の通常外来」など、状態に応じた選択肢があります。
- 日本語に自信がなくても、短い言葉やメモを使って「誰が・どこで・どんな状態か」を伝えることで、必要な支援につながりやすくなります。
このページを読み終えたら、
お住まいの地域の自治体サイトや案内を確認して、
「夜間・休日に具合が悪くなったときの相談窓口」をメモしておくことをおすすめします。
いざというときに慌てないための、心の準備にもなります。


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