日本で給料をもらうと、
「所得税」「住民税」などの税金が差し引かれます。
しかし、
「何がどう違うのか」「なぜこんなに引かれているのか」は分かりにくいと感じる人も多いです。
このページでは、在留外国人の方向けに、
所得税と住民税の基礎をやさしい日本語で整理します。
細かい計算式ではなく、
給料から引かれる税金のイメージをつかむことを目的としています。
1. 給料から引かれる主な税金
日本で働いて給料をもらうとき、
多くの人に関係してくる税金は次の2つです。
- 所得税:国におさめる税金
- 住民税:住んでいる市区町村・都道府県におさめる税金
どちらも「収入(所得)」に応じてかかる税金ですが、
- いつの収入にもとづいているか
- 誰に払うのか(国か、市区町村か)
- どのタイミングで引かれるか
が少しずつ違います。
2. 所得税の基礎:毎月の給料から「源泉徴収」される税金
2-1. 所得税とは
所得税は、
1年間に得た「所得(収入から一定の経費や控除を引いたもの)」に対してかかる税金で、
国におさめる税金です。
一般的な会社員やアルバイトの場合、
所得税は「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」という方法で、
毎月の給料からあらかじめ差し引かれます。
2-2. 源泉徴収のイメージ
源泉徴収は、
「本来は1年分で計算する税金を、毎月の給料から少しずつ前払いしている」イメージです。
つまり、
- 会社が毎月の給料をもとに所得税を計算して差し引く
- 会社がその所得税を国に納める
という流れになっています。
年間の合計で見ると、
「前払いした所得税」と「本来払うべき税金」の間に差が出ることがあります。
その差を調整するしくみが年末調整や確定申告です。
2-3. 給料明細ではどこを見るか
給料明細の「控除」(こうじょ)の欄に、
多くの場合、
- 所得税
という項目があります。
そこに書かれている金額が、
その月に源泉徴収された所得税です。
3. 住民税の基礎:前年の所得にもとづいてかかる税金
3-1. 住民税とは
住民税は、
住んでいる市区町村・都道府県におさめる税金です。
原則として前の年の所得にもとづいて金額が決まります。
たとえば、
- 2024年の所得 → 2025年の住民税に反映される
というイメージです。
3-2. 住民税の支払い方法
住民税の支払い方法には、主に次の2つがあります。
- 特別徴収:会社員などの場合、毎月の給料から住民税が天引きされる
- 普通徴収:自分で納付書を使って、年に数回に分けて支払う
どちらの方法になるかは、
仕事の形態や自治体の運用によって変わります。
3-3. 「1年遅れ」でやってくる点に注意
住民税は、前の年の所得にもとづいて計算されるため、
- 前年にたくさん働いた → 翌年の住民税が増える
- 前年の所得が少なかった → 翌年の住民税は少ない、またはゼロ
というように、
「1年遅れ」で影響が出てきます。
そのため、
- 就職2年目から手取りが少し減ったように感じる
といったことが起こりやすくなります。
住民税が「翌年から本格的に始まる」ことを、頭の片隅に置いておくと安心です。
4. 給料明細から分かること
給料明細を確認すると、
- 毎月どのくらい所得税が引かれているか
- 住民税が給料から天引きされているかどうか
を確認することができます。
4-1. 控除欄をチェックする
一般的な給料明細では、「控除」の欄に次のような項目が並びます。
- 所得税
- 住民税(特別徴収の場合)
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
ここを見れば、
「税金としていくら」「社会保険としていくら」引かれているかが分かります。
4-2. 手取りのイメージ
ざっくりとした関係は、
総支給額 − 税金 − 社会保険料 = 手取り
です。
このイメージを持っておくと、
毎月の生活費や貯金の計画を立てやすくなります。
5. 留学生アルバイトの場合のイメージ
留学生としてアルバイトをしている場合も、
条件によっては所得税が源泉徴収されることがあります。
一般的なイメージとしては、
- アルバイトの収入が少ない → 所得税は少額またはゼロのこともある
- 一定以上の収入がある → 毎月の給料から所得税が引かれる
ただし、
実際にいくら払うかは、1年間の収入や控除の内容によって変わります。
在留資格や働き方によっても扱いが変わることがあるため、
不安がある場合は、学校の事務・専門窓口などに確認することが大切です。
6. 社会人としてフルタイムで働く場合
正社員・契約社員・派遣社員など、
フルタイムで働く場合は、
- 所得税(源泉徴収)
- 住民税(多くは2年目以降、給料から天引き)
- 健康保険・厚生年金・雇用保険
などがまとめて給料から差し引かれます。
6-1. 「1年目」と「2年目」で手取りが変わる理由
社会人1年目は、
前年の所得がほとんどないことも多く、
住民税が安い、またはかからないケースがあります。
しかし2年目からは、
1年目の所得にもとづいて住民税がかかるようになるため、
- 「2年目から手取りが少し減った」と感じる
ことがあります。
生活費や貯金の計画を立てるときは、
こうしたタイミングの変化も意識しておくと安心です。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 所得税と住民税は、どちらが高いのですか?
実際の金額は、1年間の所得や控除の内容によって変わります。
「必ずこちらが高い」とは一概には言えません。
まずは、自分の給料明細と、自治体から届く住民税の通知を確認して、
「今、自分はいくら払っているのか」を知るところから始めるのがおすすめです。
Q2. 税金を自分の判断で「払わない」ことはできますか?
日本で所得がある場合、
原則として法律にもとづいて税金をおさめる必要があります。
自分の判断で勝手に「払わない」ことはできません。
所得が少ない場合は、もともと税額が少ない・ゼロになることもありますが、
それも制度にもとづいて決まります。
Q3. 給料明細に住民税が書かれていません。払わなくてよいという意味ですか?
給料から住民税が天引きされていない場合、
自分で支払うタイプ(普通徴収)の可能性があります。
住民票がある市区町村から届く書類(納付書など)がないか確認し、
不明な点があれば自治体の窓口に相談してみてください。
Q4. 在留期間が短い場合でも、所得税や住民税はかかりますか?
在留期間や日本にいる日数によって、
税務上の扱いが変わることがありますが、
「短期間だからまったく税金がかからない」というわけではありません。
自分のケースについては、税務署や専門機関など、
公的な情報にもとづいて確認することが大切です。
8. まとめ:違いをざっくり理解しておく
- 所得税は国におさめる税金で、毎月の給料から源泉徴収されます。
- 住民税は住んでいる市区町村・都道府県におさめる税金で、原則として前年の所得にもとづいて翌年にかかります。
- 給料明細の「控除」欄を見ると、所得税や住民税がいくら引かれているかを確認できます。
- 留学生アルバイト・社会人フルタイムなど、働き方によって税金のかかり方やタイミングが変わることがあります。
- 細かい計算をすべて覚える必要はなく、「どんな税金が、いつ、どこに対してかかるのか」をざっくり理解しておくことが大切です。
このページの内容を参考に、
自分の給料明細や住民税の通知を一度見直してみてください。
そのうえで、疑問や不安があれば、
会社の担当者や自治体の窓口などに相談しながら、少しずつ理解を深めていきましょう。


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