「日本語がまだあまり得意ではないけれど、日本でどんな仕事ができるんだろう?」
「今の日本語レベルで応募していいのか分からない」
そのように感じている在留外国人の方も多いと思います。
このページでは、日本語レベルと仕事の選び方について、
今の自分から始められるステップという考え方で整理します。
完璧な日本語を目指す前に、「今できること」と「これから伸ばしたいこと」を一緒に確認していきましょう。
1. 日本語レベルは「4つの技能」と「場面」で考える
日本語レベルというと、
「JLPTがN2かN3か」「テストの点数」だけで考えてしまいがちですが、
仕事の場面では、それだけでは判断できないことも多いです。
仕事で使う日本語は、次のような4つの技能に分けて考えると整理しやすくなります。
- 話す:自分の考えや状況を、日本語で説明できるか
- 聞く:相手の指示や説明を、日本語である程度理解できるか
- 読む:メール・マニュアル・掲示物などの日本語を読めるか
- 書く:簡単なメモ・報告・メールなどを日本語で書けるか
また、どのような場面で使うかによっても必要なレベルが変わります。
- お客様対応が多い仕事(接客・販売など)
- 社内の人とのやり取りが中心の仕事(オフィスワークなど)
- 指示に従って作業することが多い仕事(工場・倉庫など)
日本語に自信がなくても、
「聞く力は強い」「読むのは苦手だけれど、話すのは得意」など、
自分の得意・不得意を分けて考えることで、仕事の選び方が変わってきます。
2. 求人でよく見る「日本語レベル」の表現
求人情報の中には、次のような日本語レベルの表現が使われることがあります。
- 日常会話レベル:
普段の生活で使う日本語なら、ある程度やり取りができるイメージです。
簡単な会話・電話の取り次ぎ・シンプルな指示の理解などが想定されています。 - ビジネスレベル:
職場でのメールや電話、会議での発言など、
仕事でのコミュニケーションを日本語で問題なく行えるレベルを指します。 - ネイティブレベル:
ほぼ母語話者と同じように、日本語を使えるレベルを指すことが多いです。 - 日本語能力試験 N2以上・N1必須 など:
JLPTの級を目安としている求人もあります。
実際には、同じ「日常会話レベル」でも、
会社によって求めているイメージが少し違うこともあります。
不安なときは、自分の日本語力を正直に説明したうえで、応募できるか相談するのも1つの方法です。
3. 今の日本語レベルで目指しやすい仕事のイメージ
ここでは、ざっくりとしたイメージとして、
日本語レベル別に目指しやすい仕事の例を紹介します。
正確な線引きではなく、あくまで「目安」として読んでください。
3-1. 日本語初級〜日常会話レベル(簡単な会話はできる)
このレベルでは、次のような仕事の一部が候補になります。
- 簡単な作業が中心の工場・倉庫内の仕事
- キッチンや裏方の仕事(洗い場・軽作業など)
- 同じ国の人が多い職場での仕事(社内で母語も使える環境など)
指示を聞いて動く場面が多い仕事であれば、
「聞く力」を中心に仕事を進めることができます。
ただし、安全に関わる指示などを間違えないように、
分からないときに必ず質問する姿勢が大切です。
3-2. 日常会話〜簡単なビジネス会話レベル
このレベルになると、仕事の選択肢は少し広がります。
- 簡単な接客を含む飲食店・コンビニ・販売などの仕事
- 外国語も活かしながらの接客(観光地・免税店など)
- 社内の事務サポート(書類整理・データ入力など)
お客様対応や社内のコミュニケーションも、
ゆっくり話してもらえれば対応できる、というケースも増えます。
一方で、クレーム対応や複雑な説明が必要な場面は、まだ難しいと感じるかもしれません。
3-3. ビジネスレベル以上
ビジネスレベルの日本語が使える場合、次のような仕事も選択肢に入ってきます。
- オフィスワーク全般(営業・事務・企画・人事など)
- 日本人の同僚と一緒に進めるプロジェクト型の仕事
- 日本語での電話・メール・会議が多い仕事
このレベルでは、日本語だけでなく、
専門スキル(IT・デザイン・会計・マーケティングなど)も重要になってきます。
日本語力と専門力の両方を活かして、
長期的なキャリアを考えやすくなります。
4. 「今できる仕事」と「将来目指したい仕事」を分けて考える
多くの人にとって、
「今の日本語レベルでできる仕事」と「本当はやってみたい仕事」は、
ぴったり一致しないことが多いです。
そのため、次のように2つに分けて考えることをおすすめします。
- ① 今できる仕事:
現在の日本語レベルとスキルで、現実的に挑戦できそうな仕事 - ② 将来目指したい仕事:
日本語力やスキルが上がったときに、挑戦したい仕事
たとえば、
- 今は工場やキッチンで働きながら、日本語の勉強を続ける
- 数年後には、接客やオフィスワークにも応募できるように準備する
というように、ステップを分けて考えることで、
焦らずにキャリアの道を作っていくことができます。
5. 日本語レベルを上げるための小さなステップ
仕事をしながら日本語を上達させるのは簡単ではありませんが、
毎日の中でできる小さなステップもあります。
5-1. 仕事の中でできること
- 分からない単語や表現をメモして、あとで調べる
- よく使うフレーズ(報告・相談・あいさつなど)を、自分の型として覚える
- 日本人の同僚が使っている言い回しを観察して、少しずつ真似してみる
5-2. 仕事以外でできること
- ニュースやドラマ、YouTubeなどで、日本語の音に慣れる
- スマホアプリやテキストで、日本語の勉強を少しずつ続ける
- 日本語教室やオンラインレッスンなど、利用できるサービスを試してみる
大切なのは、
「完璧な勉強時間」を作ろうとしすぎないことです。
毎日10分でも、日本語と触れる時間を積み重ねていくことで、
数か月後・数年後の仕事の選択肢が変わってきます。
6. よくある不安・よくある質問(Q&A)
Q1. 日本語がまだ初級レベルですが、日本で働くのは無理でしょうか?
初級レベルでも、
指示に従って行う作業が中心の仕事など、
条件によっては働けるケースもあります。
ただし、安全やミス防止のため、
分からないことをそのままにしないことがとても大切です。
Q2. JLPTを持っていないと、いい仕事には就けませんか?
JLPTの資格を条件にしている求人もありますが、
すべての仕事がそうではありません。
実際のコミュニケーション力や、専門スキルを評価してくれる会社もあります。
とはいえ、JLPTは「日本語力の目安」として便利なので、
受験を目標にするのも1つの方法です。
Q3. 日本語に自信がつくまで、仕事探しを始めないほうがいいですか?
日本語に完全な自信がつくのは、かなり時間がかかります。
「日本語の勉強だけ」を続けるより、
勉強と仕事探しを同時に進めるほうが、
現実的なプランになることも多いです。
今できる範囲で情報収集を始めてみるのがおすすめです。
Q4. 日本語が得意ではないことを、面接で正直に言っても大丈夫ですか?
嘘をついて入社してしまうと、あとで自分が苦しくなります。
日本語に不安がある場合は、
「今はこのレベルですが、こうやって勉強を続けています」と、
努力していることも合わせて伝えると良いでしょう。
7. まとめ:日本語レベルは「仕事を選ぶ基準」の1つにすぎない
- 日本語レベルは、「話す・聞く・読む・書く」の4つの技能と、仕事の場面によって必要なレベルが変わります。
- 求人情報の「日常会話レベル」「ビジネスレベル」などの表現は目安であり、不安なときは相談してもかまいません。
- 「今できる仕事」と「将来目指したい仕事」を分けて考えることで、ステップを作りやすくなります。
- 仕事をしながら日本語を上達させることも可能で、毎日の小さな積み重ねが将来の選択肢を広げます。
- 日本語レベルは大切ですが、それだけがすべてではありません。専門スキルや人柄、やる気も大きな強みになります。
このページを参考に、
今の日本語レベルを正直に見つめながら、
自分に合った仕事の選び方と、これからのステップを考えてみてください。


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