賃貸アパート・マンションに住むとき、
入居時の初期費用だけでなく、
「契約を更新するとき」や「退去するとき」にかかるお金も気になるポイントです。
このページでは、更新料・退去費用・原状回復の基本的な考え方を、
在留外国人向けにやさしい日本語で整理します。
ここで説明する内容は、細かい法律の説明ではなく、
あくまで考え方のガイドです。
実際の金額やルールは、契約書や物件ごとの条件によって異なります。
1. 更新料とは?いつ、なぜ必要になるのか
日本の賃貸では、契約期間が終わるときに、
「更新料」という言葉が出てくることがあります。
1-1. 更新料の基本イメージ
更新料とは、
「同じ部屋に住み続けるために、契約を延長するときに支払うお金」というイメージです。
- 契約期間の終わり(多くは2年)に支払うことが多い
- 金額は「家賃1か月分」など、物件ごとに異なる
- 「更新料なし」の物件もある
更新料があるかどうか・いくらかかるかは、
契約書や重要事項説明書に書かれています。
入居前に必ず確認しておきましょう。
1-2. すべての物件で更新料が必要なわけではない
更新料は、日本全国の賃貸で必ず必要というわけではありません。
地域や物件によって、
- 更新料あり(家賃1か月分など)
- 更新事務手数料のみ
- 更新料なし
など、いろいろなパターンがあります。
更新のタイミングでどのくらいのお金が必要になるのか、
事前にイメージしておくことが大切です。
2. 退去費用とは?どのようなお金がかかるのか
部屋を退去するときには、
退去のタイミングで発生する費用がいくつかあります。
2-1. 日割り家賃や最終月の家賃
退去月の家賃は、
- その月の家賃を丸ごと支払う
- 退去日までの日数に応じて日割りで支払う
など、契約や管理会社ごとのルールによって異なります。
退去の連絡をするときに、
「退去月の家賃はどのように計算されますか?」と確認しておきましょう。
2-2. 清掃費・クリーニング費用
多くの物件では、退去時に清掃費・クリーニング費用が発生します。
- 契約時に「退去時クリーニング費用◯円」と決まっている場合
- 実際の状態を見て、あとから見積もりが出る場合
など、いくつかパターンがあります。
清掃費が固定で決まっている場合は、
契約書や重要事項説明書に書かれていることが多いので、
入居前に内容を確認しておくと安心です。
2-3. その他の退去時にかかりやすい費用
物件や契約内容によっては、次のような費用が発生することもあります。
- 鍵(カギ)をなくした場合の交換費用
- 設備の破損(こわしてしまった場合)の修理費用
- 通常の使用を超える汚れ・キズに対する費用
これらの費用が発生するかどうかは、
部屋の状態や契約内容によって変わります。
3. 原状回復(げんじょうかいふく)の考え方
退去費用の話とセットで出てくるのが、原状回復という言葉です。
3-1. 原状回復とは
原状回復とは、
「入居前の状態にできるだけ近づける」というイメージの考え方です。
ただし、「完全に新品に戻す」という意味ではありません。
一般的には、
- 普通に暮らしていれば自然につく汚れや日焼け(経年劣化)
については、
借主ではなく大家さん側が負担するのが基本と説明されることが多いです。
3-2. 借主(入居者)が負担しやすいケースの例
一方で、次のような場合は、
借主が費用を負担する可能性が高くなります。
- タバコのヤニで壁紙が大きく変色してしまった
- 床に重い物を落として大きなキズをつけてしまった
- 子どもの落書きなどで壁に大きな汚れが付いた
- エアコンのフィルターを長期間まったく掃除せずにこわしてしまった
いずれも、
「通常の使用」ではなく、「不注意や管理不足によるダメージ」と考えられるケースです。
3-3. 経年劣化(けいねんれっか)と判断されやすい例
一方で、次のようなものは、
一般的には経年劣化(時間がたつことで自然に古くなること)と説明されることが多いです。
- 家具を置いていた部分の床のへこみ
- 長年の日光による壁紙の色あせ
- 通常の使用での畳やフローリングのすり減り
ただし、最終的な判断は、
実際の部屋の状態や契約内容、管理会社・大家さんとの話し合いによって決まります。
4. 日ごろからできる「退去後のトラブルを減らす工夫」
退去時のトラブルや費用を少なくするために、
入居中からできる工夫がいくつかあります。
4-1. 入居時の状態を写真やメモで残しておく
入居したばかりのときに、
気になるキズや汚れ(もともとあったもの)があれば、
写真を撮っておくと、退去時に説明しやすくなります。
可能であれば、
- 入居時のチェックシートがあるか確認する
- 気になる点は、早めに管理会社に伝えておく
といった対応も役に立ちます。
4-2. 定期的な掃除と簡単なメンテナンス
次のようなことを意識すると、
大きな汚れやトラブルを防ぎやすくなります。
- キッチン・バス・トイレのカビや水あかを定期的に掃除する
- エアコンのフィルターを時々掃除する
- 床に重いものを置くときは、下にマットを敷く
完璧である必要はありませんが、
「普通の注意」をして生活していたと説明できる状態を意識しておくと安心です。
4-3. 何か壊してしまったときは、そのままにしない
設備をこわしてしまったり、
大きなキズや汚れをつけてしまったりしたときは、
退去まで黙っておくのではなく、早めに管理会社に相談したほうがよい場合もあります。
早い段階で対応できれば、被害が広がる前に修理できることもあります。
5. よくある疑問(Q&A)
Q1. 更新料が高いと感じた場合、払わなくてもよいですか?
契約書に更新料の条件が書かれている場合、
原則として、その内容に従うことになります。
「払わないで住み続ける」というのは、基本的には難しいと考えたほうがよいです。
更新料が気になる場合は、
契約前に条件を確認し、別の物件も含めて検討することが大切です。
Q2. 退去時に、敷金が思ったより少ししか返ってきませんでした。
退去時に、
敷金からクリーニング費用や原状回復費用が差し引かれることがあります。
どのような項目にいくら使われたのか、
管理会社からの明細(内訳)を確認してみましょう。
説明を聞いても納得できない場合は、
メモを取りながら、冷静に話し合うことが大切です。
Q3. 「これは経年劣化だから借主負担ではない」と、どうやって判断すればいいですか?
経年劣化かどうかの判断は、専門的な部分もあり、
自分だけで判断するのが難しいことも多いです。
まずは、
「これは自然な古さなのか、それとも自分の使い方によるダメージなのか」
を意識して考えてみましょう。
そのうえで、不明な点は管理会社に質問し、必要であれば第三者の相談窓口に相談することも選択肢です。
Q4. 退去時の費用が不安で、日本で部屋を借りること自体がこわくなってきました。
不安に感じるのは自然なことです。
大切なのは、「何があるか分からない」状態から、「どのような費用がありえるか想像できる」状態に近づくことです。
契約前に初期費用と更新・退去時の費用のイメージを持ち、
入居中は日常の掃除やメンテナンスを意識することで、
不安を少しずつ小さくしていくことができます。
6. まとめ:更新と退去は「事前に知っておく」と落ち着いて対応できる
- 更新料は、「同じ部屋に住み続けるために契約を延長するときに支払うお金」というイメージです。
- 退去時には、最終月の家賃・清掃費・場合によっては修理費用などがかかることがあります。
- 原状回復は「入居前に近い状態に戻す」という考え方ですが、経年劣化と故意・過失のダメージは区別されます。
- 入居時の状態を記録しておくことや、日ごろの掃除・メンテナンスは、退去時のトラブルを減らす助けになります。
- 不安な点は、一人で抱え込まず、契約前・入居中・退去前のそれぞれのタイミングで質問・相談していくことが大切です。
このページの内容を参考に、
「更新のとき」「退去のとき」にどのようなことが起こりそうかを事前にイメージしながら、
日本での住まいとの付き合い方を考えてみてください。


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