日本で生活していると、
「毎月のお金の流れがよく分からない」「貯金をしたいけれど、なかなかお金が残らない」
と感じることはありませんか。
このページでは、在留外国人の方向けに、
貯金と家計管理の基本をやさしい日本語で整理します。
難しい専門用語ではなく、
「収入」と「支出」をシンプルに考えるところから始めていきます。
1. なぜ「貯金」と「家計管理」はセットで考えるのか
「貯金(貯蓄)」というと、
ただ銀行口座にお金をためるイメージが強いかもしれません。
しかし、
毎月の家計(収入と支出のバランス)が整理されていないと、
「貯金をしたいのに、いつのまにかお金が残らない」という状態になりがちです。
- 家計管理:今の生活のお金の流れを整えること
- 貯金:将来のためにお金を残しておくこと
この2つはセットで考えることで、
無理のない貯金のペースを決めやすくなります。
2. まずは「今のお金の流れ」を知る
貯金を増やしたいと思ったら、
いきなり節約をがんばるのではなく、
まず「今の自分の家計の状態」を知ることが大切です。
2-1. 収入を整理する
まずは、月の収入を書き出してみましょう。
- 給料(アルバイト・パート・正社員など)
- ボーナス(あれば)
- 奨学金や仕送りなど、定期的にもらうお金
月ごとに多少の差はあっても、
まずは平均的な「手取り」の金額をイメージできれば十分です。
2-2. 固定費と変動費に分けて支出を見る
次に、支出を大きく2つに分けます。
- 固定費:毎月ほぼ同じ金額の支出(例:家賃、通信費、定期券、保険料など)
- 変動費:月によって変わる支出(例:食費、日用品、交際費、趣味など)
最初から完璧に書き出そうとしなくても大丈夫です。
ざっくりでよいので、「どのくらい固定費に使っているか」を知るところから始めましょう。
2-3. ざっくりでも「全体のバランス」を見る
収入と支出を整理したら、次のような質問を自分にしてみてください。
- 今の収入で、無理なく生活できているか
- 固定費が多くて、月の自由なお金が少なすぎないか
- 変動費の中で、「どこに一番使っているか」をイメージできるか
このステップでは、
「完璧な家計簿を作ること」より、「自分の家計の特徴を知ること」が目的です。
3. シンプルな月間予算の立て方
現在の収入と支出のイメージがつかめたら、
次はシンプルな月の予算を考えてみます。
3-1. まずは「生活に必要な支出」から
月の手取り収入をベースにして、
まずは下記のような項目を考えます。
- 家賃
- 光熱費(電気・ガス・水道)
- 通信費(スマホ・インターネットなど)
- 交通費(通学・通勤)
- 最低限の食費
これらは、
「生活するために必要な支出」です。
ざっくりでよいので、「毎月いくらくらいかかるか」を合計してみます。
3-2. 「貯金」を先に予算に入れる
次に、
手取り収入から「生活に必要な支出」を引いた残りの中から、
毎月の貯金額を決めます。
ポイントは、
「余ったら貯金する」ではなく、
「先に貯金する」と決めることです。
たとえば、
- 月の手取り:200,000円
- 生活に必要な支出の合計:150,000円
の場合、
- 毎月の貯金:20,000〜30,000円
- 残り:自由に使えるお金(交際費・趣味・外食など)
というように、
無理のない金額を目安として決めてみます。
3-3. 完璧な数字を出そうとしない
最初からぴったりの金額を決める必要はありません。
大切なのは、
- 「今の生活で、現実的に貯金できる金額」を考えてみること
- 「この金額なら続けられそう」というラインを探すこと
です。
実際に1〜2か月試してみて、
無理があれば金額を調整して構いません。
4. 貯金の目標を「短期・中期・長期」で考える
貯金は、
目的や期間がはっきりしているほど続けやすいと言われます。
4-1. 短期の目標(1年以内)
例:
- 急な出費に備えるための予備費(1〜2か月分の生活費など)
- 小さな旅行・一時帰国の航空券の一部
- 家電やPCの買い替えに備える
短期の目標は、
「もう少しがんばれば届きそう」と感じる金額にすると、やる気が続きやすくなります。
4-2. 中期の目標(1〜3年くらい)
例:
- 次のステップのための資金(引っ越し・転職・進学など)
- 留学期間が終わった後の生活資金
- 資格取得やスキルアップのための費用
中期の目標は、
金額が少し大きくなるため、
毎月の貯金額を少しずつ増やしていくイメージが大切です。
4-3. 長期の目標(3年以上)
例:
- 将来のキャリア・家族のための資金
- 日本に長く住み続ける場合のライフプラン
長期の目標は、
在留期間や人生の計画にも関係してくるため、
まだはっきりしていない人も多いと思います。
無理に具体的な金額を決める必要はありませんが、
「少しずつ長期的な貯蓄もしている」という意識を持てると安心です。
5. 家計管理を「無理なく続ける」ための方法
家計管理は、
「1か月だけがんばる」のではなく、
続けていくことが大切です。
5-1. 自分に合った記録方法を選ぶ
代表的な方法には、次のようなものがあります。
- 家計簿アプリを使う
- エクセルやスプレッドシートを使う
- ノートに手書きで書く
どの方法が正しい、ということはありません。
自分が続けやすい方法を選ぶのが一番です。
5-2. すべての支出を記録しなくてもいい
家計簿というと、
「すべての支出を1円単位で記録しなければならない」と感じるかもしれません。
しかし、最初からそれをすると、
多くの人が途中で疲れてしまいます。
はじめのうちは、
- 「大きな支出」だけをメモする
- キャッシュレスの利用履歴を月に1回まとめて確認する
など、
ざっくりとした管理から始めても問題ありません。
5-3. 「毎月1度の振り返り」を習慣にする
少なくとも月に1回、
次のような振り返りの時間をつくると、家計の見える化が進みます。
- 今月の収入はいくらだったか
- 貯金は予定どおりできたか
- どの項目の支出が多かったか
完璧に管理しようとせず、
「先月と比べてどうか」を見るだけでも十分です。
6. よくある失敗パターンと対策
6-1. ケース1:カード払い・キャッシュレスが多すぎて、現金感覚がなくなる
クレジットカード・デビットカード・電子マネー・QRコードを組み合わせて使うと、
「今月いくら使ったか」が分かりにくくなることがあります。
対策の例:
- 日常の支出は1〜2種類のキャッシュレスにしぼる
- 月に1回、カードやアプリの明細をすべて確認する
6-2. ケース2:「余ったら貯金しよう」と考えて、結局残らない
「余りが出たら貯金する」という考え方だと、
ほとんどの場合、貯金が増えません。
対策の例:
- 給料日または収入が入ったタイミングで、先に貯金用の口座に移す
- 「この金額だけは貯金にまわす」と決める
6-3. ケース3:最初からがんばりすぎて、すぐに続かなくなる
家計簿を完璧にしようとしたり、
いきなり大きな金額を貯金しようとすると、
途中で疲れてやめてしまいやすくなります。
対策の例:
- 最初の2〜3か月は、「家計の全体像を知る」ことを目標にする
- 貯金額は、最初は少なめに設定し、様子を見ながら少しずつ増やす
7. よくある質問(Q&A)
Q1. どのくらい貯金できていれば安心ですか?
人によって生活費・収入・在留期間が違うため、
「この金額が正解」という数字はありません。
一つの目安としては、
最低でも1〜2か月分の生活費を、予備費として持っておくと安心と言われることがあります。
そのうえで、短期・中期の目標に向けて、少しずつ貯金を増やしていくイメージを持つとよいでしょう。
Q2. 家計簿アプリを使ったほうがいいですか?
アプリは便利ですが、
「合わない」と感じる人もいます。
大切なのは、
自分が続けやすい方法を選ぶことです。
アプリが合わない場合は、
ノートやスプレッドシートで「大きな支出だけ」メモする方法から始めてもかまいません。
Q3. 日本の物価が高くて、ほとんど貯金できません。どうしたらいいですか?
生活費が高く、貯金がむずかしいと感じる人も多いです。
その場合は、まず「マイナスになっていないか」を確認し、
できるだけ赤字にならない家計を目指すところから始めてみてください。
貯金額が少なくても、
「毎月少しでもプラスで終わる」という状態を続けることは、
将来の安心につながります。
Q4. 在留期間が短いのに、貯金をがんばる意味はありますか?
在留期間が限られている場合でも、
貯金は「将来の選択肢を増やす」ために役立ちます。
日本での次のステップ、母国に戻ったあとの生活、別の国への移動など、
どの選択をするにしても、
ある程度の貯金があったほうが行動しやすくなります。
大きな金額でなくても、
自分のペースで少しずつ貯金していく価値は十分にあります。
8. まとめ:小さく始めて、少しずつ整えていく
- 貯金と家計管理はセットで考えることで、無理のないペースを決めやすくなります。
- まずは、「今の収入と支出」をざっくり把握し、固定費と変動費に分けて全体のバランスを見てみましょう。
- 月の予算を立てるときは、「生活に必要な支出」と「毎月の貯金」を先に決め、その残りを自由に使うイメージが有効です。
- 短期・中期・長期の目標を意識すると、貯金を続けやすくなります。
- 完璧を目指すより、「毎月少しずつ家計を見える化する」「少額でもプラスで終わる」ことを大切にしながら、自分に合ったスタイルを作っていきましょう。
このページの内容を参考に、
日本での生活の中で、
自分らしいペースで貯金と家計管理を始めてみてください。


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