「今の仕事を続けるべきか、それとも転職したほうがいいのか分からない」
「イライラすることが多いけれど、本当に辞めるべきなのか判断できない」
そのようなモヤモヤを感じている在留外国人の方に向けて、
このページでは転職を決める前にチェックしたいポイントを整理します。
転職は、大きな決断です。
いきなり感情だけで決めてしまうと、あとで「前のほうが良かったかも」と後悔することもあります。
一方で、つらい状況に我慢し続けることも、心と体にとってよくありません。
まずは、いくつかの視点から自分の状況を整理するところから始めてみましょう。
1. 「転職したい」と感じる理由を書き出してみる
なんとなく「辞めたい」と感じているだけだと、
次の行動に進みにくくなります。
まずは、理由を具体的に言葉にすることが大切です。
1-1. よくある不満のパターン
- 仕事内容:やりたい仕事と違う、向いていないと感じる
- 給与・待遇:給料が低い、昇給が少ない、残業代がつかない
- 働き方:残業が多い、休みが取りにくい、勤務時間が合わない
- 人間関係:上司・同僚との関係がつらい、ハラスメントを感じる
- 日本語・文化:日本語・文化の違いからストレスを感じる
- 将来の不安:この会社で成長できるイメージが持てない
ノートやスマホに、
「不満だと感じる点」「つらかった具体的な出来事」をメモしてみましょう。
それが、後で「変えられるもの」と「変えにくいもの」を分ける材料になります。
2. 「会社を変えれば解決しそうな問題」かどうかを考える
転職を考えるとき、
すべてを「会社のせい」と考えてしまうと、
転職しても同じ悩みをくり返してしまうことがあります。
2-1. 転職で変えやすいこと
- 業界・仕事内容(業務内容そのものを変える)
- 給与水準(業界や職種を変えることで上げられる場合がある)
- 勤務時間・残業の多さ(会社によって大きく違う)
- 企業文化(風通しの良さ・働き方の考え方など)
これらは、会社や仕事を変えることで改善される可能性があるポイントです。
2-2. 場所を変えても残りやすい課題
- 時間の使い方のクセ(何でも抱え込みすぎてしまう など)
- 人に頼ることが苦手で、1人で抱え込みやすい
- 「完璧にやらないといけない」という考え方
こうした部分は、
会社を変えても自然には消えないことがあります。
「自分に原因がある」という意味ではなく、
自分の考え方や行動パターンとして、少しずつ見直せる部分がないか考えてみるイメージです。
3. 今の職場で「改善の相談」ができそうか確認する
転職を決める前に、
今の職場でどこまで改善できる可能性があるかを確認してみるのも1つの方法です。
3-1. 相談できそうなテーマの例
- 業務量が多すぎる → 優先順位の相談、仕事の分担の調整
- 残業が多すぎる → 残業の前提になっている業務の見直し
- 仕事内容が合わない → 部署異動や担当変更の相談
- 日本語の負担が大きい → 文書のサポートや、簡単な日本語への言い換えをお願いする
もちろん、すべての職場でうまくいくわけではありません。
ですが、「何も相談していない状態」と「相談してみたけれど難しかった状態」では、
転職を決めた後の納得感が違ってきます。
3-2. 相談が難しい・危険だと感じる場合
パワーハラスメントや重大な違法行為などがある場合は、
無理に社内で解決しようとせず、
外部の相談窓口・専門家に相談することが大切です。
自分の心と体を守ることが、最優先になります。
4. 在留資格・収入・生活への影響をチェックする
在留外国人にとっては、
転職の決断が在留資格や生活に影響することもあります。
4-1. 在留資格の条件との関係
- 現在の在留資格が、どのような仕事を前提としているか
- 転職先の仕事が、その条件と合っているか
- 転職時に、在留資格の変更や手続きが必要になりそうか
これらは、
自分だけで判断するのが難しい場合が多いです。
不安がある場合は、専門家や公的な窓口に早めに相談しておきましょう。
4-2. 生活費と貯金の状況
転職活動中は、
今より収入が不安定になる時期が出てくる可能性があります。
そのため、
- 毎月の生活費(家賃・食費・光熱費など)の目安
- 今の貯金で、何か月くらい生活できそうか
- 次の仕事が決まるまでの期間を、どのくらい見込むか
をざっくり計算しておくと、
転職のリスクをイメージしやすくなります。
5. 心と体の状態をチェックする
転職を考えるきっかけが、
すでに心や体の限界に近いサインであることもあります。
5-1. 要注意のサイン
- 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
- 食欲が極端に落ちた、または食べすぎてしまう
- 休みの日も仕事のことが頭から離れず、ずっと不安
- 朝起きると、会社のことを考えて強いストレスを感じる
- ミスが続き、自分を責めてしまう
このような状態が続いている場合、
「ガマンして続けること」が必ずしも正解とは限りません。
必要であれば、医療機関や相談窓口を利用することも視野に入れましょう。
5-2. 「逃げる」ではなく「自分を守る」という考え方
日本語では、「仕事から逃げるのはよくない」と感じてしまう人もいます。
しかし、心や体を壊してしまう前に環境を変えることは、
自分を守るための大切な選択でもあります。
自分を責めすぎず、「どうすれば健康を守れるか」の視点も大切にしましょう。
6. 転職を考える前のセルフチェックリスト
最後に、転職を決める前に確認したいポイントを、
シンプルなチェックリストにまとめます。
- 転職したい理由を、具体的な言葉で3つ以上書き出した
- その理由が、会社を変えれば解決しやすいのか、自分の行動でも変えられそうなのか考えてみた
- 今の職場で、上司や人事と相談してみる余地があるか考えた(または、もう十分相談した)
- 在留資格と仕事の内容の関係について、おおまかなイメージを持っている
- 生活費と貯金のバランスをざっくり計算し、転職活動期間の目安を考えた
- 心と体の状態を振り返り、休むべきタイミングではないか確認した
- 転職以外の選択肢(部署異動、働き方の調整など)も一度は考えてみた
これらすべてに完璧に答えられる必要はありません。
ただ、いくつかの項目について考えることで、
「感情だけの決断」ではなく、
自分なりに整理したうえでの決断に近づけることができます。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 不満はあるけれど、転職するほどではない気もします。どう考えればいいですか?
不満の「強さ」と「頻度」を分けて考えてみましょう。
小さなストレスでも毎日続くとつらくなりますし、
大きなストレスがときどき起きる場合もダメージが大きいです。
ノートに「つらかった出来事」と「その頻度」を書き出してみると、
客観的に見やすくなります。
Q2. 上司に相談しても、何も変わらない気がして話す気になれません。
合理的に考えて、「相談しても本当に何も変わらない」と判断できる場合もあります。
その場合は、会社の文化自体が変わりにくい可能性もあります。
そう感じるのであれば、
外部の求人情報を見ながら、転職の選択肢も検討していく段階かもしれません。
Q3. 在留資格が不安で、動き出すのが怖いです。
在留資格の不安は、とても大きなものだと思います。
1人で調べるだけでなく、
行政書士・支援団体・自治体の相談窓口・学校の担当者など、
信頼できるところに相談することで、選択肢が見えてくることがあります。
Q4. そもそも「転職したい」と思うこと自体が、わがままではないかと感じてしまいます。
そう感じてしまう人は少なくありません。
しかし、「今の働き方で大丈夫か?」と自分に問いかけることは、
自分の人生と健康を大切にしようとしているサインでもあります。
転職するかどうかは別として、
自分の本音に一度向き合ってみることは、決して無駄にはなりません。
8. まとめ:転職の前に「整理する時間」を持つ
- 転職を考えるときは、まず「なぜそう感じるのか」を言葉にして整理することが大切です。
- 会社を変えれば解決しそうな問題と、自分の考え方・行動のクセを分けて考えてみましょう。
- 今の職場でどこまで改善できるかを確認したうえで、それでも難しい場合に転職を検討する流れが安心です。
- 在留資格・収入・生活・心と体への影響も、転職の判断材料として事前にチェックする必要があります。
- 転職するかどうかに正解はありませんが、「整理したうえでの決断」にすることで、後悔を減らすことができます。
このページのチェックポイントを参考にしながら、
すぐに結論を出さなくてもかまわないので、
自分の気持ちと状況を少しずつ整理していってください。
そのプロセス自体が、これからのキャリアを考える第一歩になります。


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