日本で体調が悪くなったとき、
「大きな病院に行くべきか」「近くのクリニックでよいのか」
と迷った経験がある在留外国人の方は多いと思います。
このページでは、
日本の病院・クリニックなど医療機関の種類と、選び方の基本を、
在留外国人向けにやさしい日本語で整理します。
まずは「どんなときに、どこに行くかの大まかなイメージ」を持てることを目的にしています。
1. 日本の医療機関にはいくつかの種類がある
日本には、規模や役割の違いによって、さまざまな医療機関があります。
ここでは代表的な種類を、イメージしやすい形で整理します。
- クリニック・医院:街の小さな病院。身近な不調を相談しやすい
- 総合病院・大きな病院:多くの診療科があり、入院や手術も行う大きな医療機関
- 専門病院:心臓・がん・小児など、特定の分野に特化した病院
どれも「病院」ですが、役割や得意とする場面が少しずつ違います。
2. クリニック・医院:まず相談しやすい「身近な医療機関」
2-1. クリニック・医院の特徴
日本では、クリニック(診療所)・医院と呼ばれる、
比較的小さな医療機関が多くあります。
特徴は次のようなイメージです。
- 医師の人数は少ない(1人または少人数)
- 特定の診療科を中心に診ていることが多い(内科・小児科・耳鼻科など)
- 自宅や職場の近くにあり、「かかりつけ」として利用しやすい
- 予約制のところもあれば、受付順のところもある
風邪・発熱・軽い腹痛・アレルギー症状など、
まず相談したい体調不良は、クリニックで診てもらうことが多いです。
2-2. かかりつけクリニックを持つという考え方
日本では、
日常的な体調不良の相談や、持病の管理をしてくれる「かかりつけ医」という考え方があります。
具体的には、
- 家や職場の近くで通いやすい
- 医師やスタッフとの相性が悪くない
- 自分の病気のことを何度か相談していて、ある程度覚えてくれている
というクリニックを、
「困ったときにまず相談できる場所」として決めておくイメージです。
3. 総合病院・大きな病院:検査・入院・手術などが必要なとき
3-1. 大きな病院の特徴
総合病院・大学病院・市立病院などの大きな病院は、
次のような特徴があります。
- 多くの診療科(内科・外科・整形外科・眼科など)を持っている
- 検査機器が充実している
- 入院や手術ができる
- 難しい病気や、専門的な治療に対応していることが多い
その反面、
- 初診は紹介状が必要なことがある
- 待ち時間が長くなりやすい
といった面もあります。
3-2. どんなときに大きな病院が選ばれやすいか(一般的なイメージ)
一般的には、次のような場合に、大きな病院が選ばれることが多いです。
- クリニックで相談した結果、より専門的な検査や治療が必要と判断されたとき
- 入院や手術が必要になったとき
- 持病があり、高度な専門治療が必要なとき
いきなり大きな病院に行くよりも、
まずクリニックで相談し、必要なら紹介状を書いてもらう、
という流れになることも多いです。
4. 専門病院:特定の分野に特化した医療機関
4-1. 専門病院とは
専門病院は、
例えば次のような特定の分野に特化した病院です。
- 心臓・循環器の専門病院
- がんの専門病院
- 小児専門病院
- 精神科・メンタルヘルスの専門病院
高度な治療や、特定の病気への専門的な対応が必要なときに、
利用されることが多い医療機関です。
4-2. 専門病院にかかるイメージ
専門病院にかかるケースでは、
- まず一般的な病院やクリニックで相談し、紹介される
- 既に診断を受けていて、専門治療のために転院する
といった流れになることが多いです。
自分の判断だけで専門病院を探すのが難しい場合は、
まず身近なクリニックで相談してみるのが現実的です。
5. 「どこに行けばいいか分からない」ときの考え方
5-1. ふだんの体調不良の場合
次のような症状は、
まず近くのクリニックで相談することが多いです。
- 風邪っぽい・熱が出た
- お腹の調子が悪い
- 少し頭が痛い・疲れやすい
- 花粉症のようなアレルギー症状
クリニックで診察を受けたうえで、
必要なら大きな病院や専門病院を紹介してもらいます。
5-2. 明らかに重い・命の危険が心配なとき
次のような場合は、「ふつうのクリニック」ではなく、
救急・大きな病院をすぐに検討したほうがよいケースもあります。
- 意識がもうろうとしている
- 息が苦しくてしゃべるのも難しい
- 激しい胸の痛みが続く
- 大きなケガ・大量の出血
ただし、
実際にどれくらい緊急かを判断するのは非常に難しいため、
「迷ったときに相談できる公的な窓口」が用意されている地域もあります。
お住まいの自治体の案内で、緊急時の連絡先や相談先を確認しておくと安心です。
6. 在留外国人が医療機関を選ぶときのポイント
6-1. 自分の生活エリアで「行きやすい場所」を見つけておく
いざ体調を崩してから病院を探すのは、とても大変です。
できれば元気なうちに、
- 自宅の近く
- 職場・学校の近く
で、行きやすそうなクリニックをチェックしておくと、
いざというときにスムーズに受診できます。
6-2. 言語・診療科・アクセスの3点を見る
医療機関を選ぶとき、在留外国人にとって大切になりやすいポイントは次の3つです。
- 言語:日本語のみか、その他の言語に対応しているか
- 診療科:自分の症状を診てもらえる専門かどうか
- アクセス:自宅や駅からの距離、通いやすさ
すべての条件を完璧に満たす医療機関を探すのは難しいこともありますが、
自分にとって特に大事なポイント(例:言語)に優先順位をつけて探すと現実的です。
6-3. 口コミだけで判断しすぎない
インターネットのレビューや口コミは、参考になる一方で、
人によって感じ方が大きく違うこともあります。
「どうしても不安なら、一度行ってみて、合わなければ別のクリニックを探す」
くらいの気持ちで考えると、少し気楽になるかもしれません。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. とりあえず一番大きな病院に行けば安心ですか?
大きな病院は設備や診療科が充実していますが、
初診では紹介状が必要な場合や、待ち時間が非常に長い場合もあります。
ふだんの体調不良であれば、まず近くのクリニックで相談し、
必要に応じて大きな病院を紹介してもらう流れが一般的です。
Q2. どの診療科に行けばいいか分かりません。
症状によって、内科・外科・耳鼻科・皮膚科など、適切な診療科は異なります。
自分で判断が難しい場合は、まず内科のクリニックに相談し、
必要であれば別の診療科を紹介してもらう方法もあります。
電話やWeb予約のときに「こういう症状ですが、どの科に行けばよいですか」と聞いてみてもよいでしょう。
Q3. 外国語対応の病院はどう探せばよいですか?
自治体の公式サイトや、観光・医療情報サイトなどで、
外国語に対応した医療機関一覧を掲載していることがあります。
詳しい探し方は、別の記事(5-2-2)で整理しますが、
まずは「住んでいる市区町村名 + 外国語対応 + 病院」などのキーワードで
公的な情報を探すところから始めるとよいでしょう。
Q4. 一度行ってみたクリニックが合わなかった場合、変えてもいいですか?
はい、別のクリニックを探して受診しても問題ありません。
医師やスタッフとの相性は人それぞれです。
自分が話しやすい、相談しやすい医療機関を少しずつ見つけていくイメージで大丈夫です。
8. まとめ:まずは「身近な相談先」を決めておく
- 日本には、クリニック・総合病院・専門病院など、役割の違う医療機関があります。
- ふだんの体調不良や軽い症状は、まず近くのクリニックで相談することが多いです。
- 大きな病院や専門病院は、検査・入院・手術など、より専門的な治療が必要なときに利用されます。
- 在留外国人が医療機関を選ぶときは、「言語・診療科・アクセス」を意識しておくと探しやすくなります。
- 元気なうちに、自宅や職場の近くで「相談しやすいクリニック」を探しておくと、いざというときに安心です。
このページをきっかけに、
まずは地図アプリや自治体の情報などを使って、
「自宅・職場の近くにどんなクリニックや病院があるか」をチェックしてみてください。
行き先の候補をいくつか知っておくだけでも、日本での暮らしの安心感が変わってきます。


コメント