日本で暮らすためには、「在留資格（ビザ）」の考え方を知っておくことがとても大切です。
自分の在留資格によって、日本でできること・できないこと、どのくらいの期間いられるかが変わります。
このページでは、在留外国人の方向けに、在留資格の基本をやさしい日本語でまとめました。
1. 在留資格（ビザ）とは？ 基本の考え方
日本では、外国人が日本に「どんな目的で、どのくらいの期間」いるのかを区別するために、いくつかの種類の在留資格（ビザ）が決められています。
たとえば、次のようなイメージです。
- 日本の学校で勉強するための在留資格（留学など）
- 日本の会社で働くための在留資格
- 家族として日本に住むための在留資格
- 長い期間、日本に住み続けるための在留資格（永住など）
在留資格ごとに、「日本でどんな活動ができるか」「どのくらいの期間いられるか」のルールがあります。
くわしいルールや種類は変わることがあるので、最新の情報は必ず法務省出入国在留管理庁やお住まいの市区町村などの公式情報で確認してください。
2. 在留資格をグループで考えてみる
在留資格には多くの種類がありますが、ぜんぶを一度に覚えようとすると大変です。
まずは、「何をするための在留資格なのか」という目的ごとに、次のようなグループで考えるとわかりやすくなります。
2-1. 仕事がメインの在留資格
日本で働くことがメインの在留資格です。例としては、次のようなイメージがあります。
- 会社で専門的な仕事をする人の在留資格（ITエンジニア、通訳・翻訳、マーケティングなど）
- 特定の分野で、人手不足を補うための在留資格のイメージ（工場、介護、建設、外食など）
仕事がメインの在留資格では、
- どんな分野・内容の仕事をするための在留資格なのか
- フルタイムで働くことが前提か、そうでないか
といった点が重要になります。
2-2. 勉強がメインの在留資格
学校で勉強することがメインの在留資格です。たとえば、
- 日本語学校で日本語を勉強するイメージ
- 専門学校や大学で勉強するイメージ
このグループでは、「授業に出る」「単位を取る」など、勉強することがメインの活動です。
アルバイトなどで働きたいときは、別に「資格外活動許可」を取ることが必要になる場合が多く、時間や仕事内容に制限があります。
2-3. 家族として住むための在留資格
家族として日本に住むことがメインの在留資格です。イメージとしては、
- 日本で働いている人や留学生などの配偶者・子どもとして住むケース
- 日本人の配偶者や子ども、永住者の家族として住むケース
どんな家族関係かによって、働けるかどうか、どのくらい働けるかが変わります。
「家族だから何をしてもよい」というわけではなく、在留資格ごとにルールが違う点に注意が必要です。
2-4. 長期的な定住を前提とした在留資格
長い期間、日本で生活することを前提にした在留資格もあります。イメージとしては、
- 永住者として、日本で長期的に住み続けるケース
- 特別な事情により、日本での定住が認められるケース
このグループでは、仕事の内容や活動の範囲が比較的広く認められる場合もありますが、
条件やルールは在留資格の種類によって大きく異なります。
3. 在留資格ごとの「できること・できないこと」の考え方
大切なのは、「自分の在留資格の目的」と「実際にしている活動」が合っているかどうかを意識することです。
たとえば、次のようなケースでは注意が必要です。
- 勉強がメインの在留資格なのに、授業にほとんど出ずにフルタイムで働いている
- 特定の分野の仕事に限られている在留資格なのに、全く違う分野の仕事を続けている
こうしたケースでは、在留資格の目的と合っていないと判断される可能性があります。
逆に、「資格外活動許可」などの制度を使えば、決められた範囲内でアルバイトや副業が認められることもあります。
ただし、具体的にどこまでが認められるか、どんな条件があるかは、在留資格の種類や法律・運用の変更によって変わることがあります。
必ず、最新の公式情報や専門の相談窓口で確認してください。
4. 在留カードで確認しておきたいポイント
日本に中長期で在留している多くの外国人は、「在留カード」を持っています。
在留カードには、在留資格に関する大事な情報が書かれています。
代表的なチェックポイントの例は、次のとおりです。
- 在留資格の種類（どのグループに入るかのヒントになります）
- 在留期間の満了日（いつまで日本にいられるかの期限）
- 在留資格に関する特別な条件やメモが書かれている欄があるかどうか
在留カードの内容をきちんと理解しておくことで、
- いつ頃、在留期間の更新を考え始めればよいか
- 今の在留資格でどんな活動をするときに注意が必要か
といったことを、早めに意識できるようになります。
在留カードの具体的な見方や各欄の正式な意味については、法務省出入国在留管理庁などの公式な説明を必ず確認してください。
5. 自分の在留資格をセルフチェックするときのポイント
「自分の在留資格で、今している活動は大丈夫かな？」と感じたときは、次のような流れでセルフチェックしてみると整理しやすくなります。
- 在留カードを確認し、在留資格の種類と在留期間の満了日を見る
- 自分の「主な活動」が何かを書き出してみる（勉強、仕事、家族としての生活など）
- その活動が、在留資格の目的と合っているかを考えてみる
- 少しでも不安があれば、公式情報や専門の相談窓口を確認する
重要なのは、「自分だけの判断で、ぎりぎりの線を狙わないこと」です。
在留資格に関する判断は、個別の状況や最新の運用によって変わることがあります。
不安があるときは、早めに会社・学校・専門家・公的な相談窓口などに相談することをおすすめします。
6. よくある疑問（Q&A）
Q1. このページだけで、自分の在留資格のすべてがわかりますか？
このページでは、在留資格の「全体像」と「考え方の基本」を説明しています。
実際にどの在留資格が使えるか、どんな活動がどこまで認められるかは、個別の条件や審査によって変わります。
具体的な判断が必要なときは、必ず公式情報や専門の相談窓口を利用してください。
Q2. インターネット上の体験談やSNSの情報は、どこまで信じてよいですか？
体験談は参考になることもありますが、在留資格に関するルールは、法律や運用の変更で変わることがあります。
また、人によって在留資格の種類や背景が違うため、「他の人にできたこと」が自分にもそのまま当てはまるとは限りません。
最終的には、公式情報や公的な窓口の説明を優先して考えることをおすすめします。
Q3. 自分の在留資格を変えたいと思ったら、どこから始めればいいですか？
まずは、現在の在留期間の満了日と、自分がこれから日本で何をしたいかを整理することから始めるとよいでしょう。
そのうえで、会社・学校・専門家などに相談し、「在留資格の変更」や「更新」の可能性について一般的な説明を聞いてみてください。
手続きの流れや準備する書類については、別の記事でより具体的に解説していきます。
7. まとめ：まずは自分の在留資格の「全体像」を知る
- 在留資格は、「日本で何をするために、どのくらいの期間いるのか」を決める大切なルールです。
- 在留資格には多くの種類がありますが、「仕事」「勉強」「家族」「長期定住」といったグループで考えると整理しやすくなります。
- 自分の在留カードを定期的に確認し、在留期間の満了日や在留資格の目的を意識しておくことが大切です。
- 具体的な判断が必要なときは、インターネットの情報だけで決めず、必ず公式情報や信頼できる相談窓口で確認しましょう。
まずはこのページで、在留資格の「全体像」と「考え方の基本」をつかんでいただければと思います。
今後は、在留期間の更新手続きや、在留資格の変更を考えるときのポイントなども、別の記事でくわしく解説していきます。
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