職場トラブルが起きたときの相談先と伝え方|一人で抱え込まないために

「この働き方はおかしい気がするけれど、誰にも言えない」
「上司の言い方がつらい。でも、外国人の自分が何か言っていいのか分からない」
そんなモヤモヤを一人で抱えている在留外国人の方は少なくありません。

このページでは、
職場でトラブルや「おかしいかも」と感じることが起きたときの相談方法について、
やさしい日本語で整理します。
すぐに解決できないこともありますが、
まずは「一人で抱え込まないための第一歩」として読んでみてください。

1. 職場トラブルのよくある例と「違和感」のサイン

まずは、どんなことが職場トラブルになりやすいか、イメージをつかみましょう。

1-1. よくある職場トラブルの例

  • 残業代が出ていない、または説明がなくカットされている
  • 契約書と違う条件で働かされていると感じる
  • 休憩をほとんど取らせてもらえない
  • 有給休暇を一切使わせてもらえない
  • 上司や同僚からのいじめ・暴言・ハラスメント
  • 外国人だからという理由で、不公平な扱いを受けていると感じる
  • 危険な作業を、十分な説明なしでさせられている

これらは、すべて「必ず違法」と決めつけられるわけではありませんが、
放っておかないほうがよいサインです。

1-2. 心と体に出るサイン

トラブルが続くと、心と体にもサインが現れます。

  • 仕事のことを考えると、強い不安や怒りを感じる
  • 職場に行く前になると、頭痛や腹痛がする
  • 眠れない、または寝ても疲れが全然取れない
  • ミスが増え、自分を強く責めてしまう

こうしたサインが続く場合は、
「自分が弱いから」ではなく、
環境側に問題がないかを疑うことも大切です。

2. まず最初にやっておきたいこと:事実をメモする

トラブルを相談するとき、
いちばん役に立つのは「正確な事実のメモ」です。

2-1. メモしておきたいポイント

ノートやスマホのメモアプリなどに、次のような点を書き残しておきます。

  • いつ(年月日・できれば時間)
  • どこで(職場・現場など)
  • 誰が(上司・同僚・お客さんなど)
  • 何を言ったか/何をされたか
  • 自分はどう感じたか

たとえば、次のようなイメージです。

  • 「◯月◯日 18:30 ごろ、店のバックヤードで、店長から『外国人はミスが多い』と言われた。」
  • 「◯月◯日〜◯日まで、毎日シフトより1時間長く働いたが、給与明細に残業の記載がない。」

できる範囲でかまいません。
「何となくつらい」だけでなく、
具体的な出来事として書いておくと、後で相談しやすくなります。

2-2. 可能なら保管しておきたいもの

  • 雇用契約書・労働条件通知書
  • シフト表(紙・写真・アプリの画面など)
  • 給与明細
  • トラブルに関係するメールやメッセージのスクリーンショット

これらは、相談するときの大事な資料になります。
捨てずに、できれば自分の端末やクラウドに保存しておきましょう。

3. 職場の中での相談ステップ(社内でできること)

いきなり外部の機関に行かなくても、
まずは職場の中でできる相談から試すこともあります。

3-1. 信頼できる同僚・先輩に話してみる

まずは、信頼できそうな同僚や先輩に、
軽く状況を話してみるのも1つの方法です。

  • 「こういうことがあったんですが、日本では普通ですか?」
  • 「自分が気にしすぎなのか、不安で……」

同じ職場で働いている人だからこそ、
事情を共有しやすいこともあります。

3-2. 上司・店長・人事への相談

可能であれば、
次のようなルートで相談できないか考えてみます。

  • 直属の上司・店長
  • さらに上のマネージャー
  • 人事部・総務部
  • 会社内の相談窓口(コンプライアンス窓口など)

相談するときは、感情だけでなく、
メモしておいた事実をベースに落ち着いて話すことが大切です。

例:

  • 「◯月◯日から◯日まで、毎日シフトより1時間長く働いたのですが、給与明細にはその分が入っていないように感じます。一度、確認していただけますか。」
  • 「最近、◯◯さんからの言葉がつらく感じています。◯月◯日の会議で、◯◯と言われました。どのように対応したらよいか、一緒に考えていただけますか。」

4. 社内で解決が難しいと感じたとき:外部の相談先のイメージ

「職場の中では言いにくい」「相談したけれど何も変わらなかった」
そんなときは、
外部の相談先を検討してもよいタイミングかもしれません。

4-1. 外部の相談先の主なイメージ

具体的な名前はここでは挙げませんが、
次のようなところが相談先の候補になります。

  • 労働に関する相談窓口(自治体・公的機関など)
  • 外国人向けの相談窓口(多言語対応の窓口)
  • 労働組合やユニオン(個人加入できる場合もある)
  • 法律の専門家(弁護士・行政書士など)の相談窓口

多くの相談窓口では、
まずは状況を聞いたうえで、
「どんな選択肢がありそうか」を一緒に考えてくれます。

4-2. 相談するときに持っていくとよいもの

  • 雇用契約書・労働条件通知書
  • シフト表・タイムカードの記録
  • 給与明細
  • トラブルの内容をまとめたメモ

すべてそろっていなくても大丈夫です。
あるものだけでも持っていくと、
より具体的なアドバイスを受けやすくなります。

5. 相談するときの準備と「話し方」のポイント

相談先が決まったら、
少しだけ「話す内容の準備」をしておくと、スムーズに相談できます。

5-1. 相談内容を簡単に整理しておく

次のような順番で、簡単にメモを作っておきましょう。

  • 【自分の状況】
    「在留資格」「働いている業種・職種」「勤務期間」など
  • 【トラブルの内容】
    いつ・どこで・誰と・何があったか
  • 【今いちばん困っていること】
    例:お金のこと/心と体のこと/在留資格への影響など
  • 【どうしたいと思っているか】
    例:まず事実を知りたい/会社と話し合いたい/職場を変えることも考えたい など

完璧な整理でなくて大丈夫です。
これらをメモしておくことで、
相談したいポイントが伝わりやすくなります。

5-2. 日本語でうまく話せるか不安な場合

日本語が心配な場合は、

  • あらかじめ日本語で文章を書いて持っていく
  • 簡単な日本語で、ゆっくり話すよう意識する
  • 可能であれば、日本語が得意な友人に同席してもらう(許可されている場合)

なども選択肢です。
多言語対応の窓口もあるため、
自分が話しやすい言語で相談できる場所を探すことも有効です。

6. よくある不安と質問(Q&A)

Q1. 相談したら、会社に知られてしまうのではないかと不安です。

多くの相談窓口では、
相談者のプライバシーを大切にしています。
相談の前に「会社に知られてしまうことはありますか?」と確認してみると安心です。
どこまで情報を伝えるかは、自分で決めて大丈夫です。

Q2. 自分が大げさに考えすぎているだけかもしれません。

そう感じて、相談をがまんしてしまう人は多いです。
しかし、「大げさかどうか」を自分一人で判断するのは難しいものです。
まずは「こんなことがあったのですが、どう思いますか?」と、
軽い気持ちで相談してみるだけでもかまいません。

Q3. 日本語がうまく話せないので、相談先で迷惑をかけてしまいそうです。

相談窓口の担当者は、
日本語が母語でない人と話すことに慣れている場合も多いです。
ゆっくり話す・簡単な言葉を使う・メモを見せながら話すなど、
少しずつ伝えれば大丈夫です。
多言語対応の窓口を選ぶのも良い方法です。

Q4. 相談したあと、状況が悪化したらどうしようと心配です。

その不安はとても自然です。
だからこそ、
「今、何をするとどんなリスクがあるか」「他にどんな選択肢があるか」を、
専門家や相談員と一緒に整理していくことが大切です。
いきなり大きな行動を取る必要はなく、
まずは情報を集めるところから始めることもできます。

7. まとめ:一人で抱え込まないことが、いちばん大切

  • 残業代・休憩・ハラスメント・契約と違う条件など、職場トラブルにはさまざまな形があります。
  • まずは「いつ・どこで・誰が・何をしたか」をメモし、雇用契約書や給与明細などの資料を保管しておきましょう。
  • 社内で信頼できる人や上司・人事に相談するのも一つの方法です。
  • 社内で解決が難しい・言いにくい場合は、外部の相談窓口や専門家の力を借りることも大切です。
  • 日本語力に不安があっても大丈夫です。メモやシンプルな言葉を使いながら、少しずつ相談していきましょう。

職場トラブルは、誰の身にも起こりうる問題です。
「自分だけの問題」と思わず、
このページの内容を参考にしながら、
一人で抱え込まないための一歩を踏み出してみてください。

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